
千葉県印西市で駅前の土地にデータセンター(DC)を建てる案が浮上した。同市はこれまでも、IT企業の施設を受け入れてきた実績がある。土地や電力の条件も整えてきた◆ただ今回は、市長が駅前のにぎわいを念頭に慎重な姿勢を示している。確かにDCは人の出入りが少なく、近隣の店舗や住宅に直接関わることはあまりない。生活の風景にはなりにくい◆土地は使われ、税収は入る。そうした意味では誘致は地域にとってプラスと言える。だが、その変化を日々の暮らしの中で実感できる人はどれほどいるのか◆日進月歩で進むAI(人工知能)の進歩には不可欠な施設だ。誘致が先端技術産業の集積を促し、新たな産業の芽を育てる可能性もある。まちにとって何がプラスになるのか。答えはそこで生きる人にしか出せない。