国土交通省は、東北地方や新潟県内でダムの底水活用や災害対策用機械を使ったかんがい用水への給水などの渇水対策に取り組んでいる。給水支援については、改正災害対策基本法を踏まえた連携の枠組みである「ＴＥＣ－ＦＯＲＣＥ（緊急災害対策派遣隊）パートナー」として活動する民間企業と協働して行っている。
　国交省は全国各地で渇水の状況が見られることから７月３０日に対策本部を設置。特に用水を必要とする出穂期と重なっているため、農林水産省と連携して対策を講じている。
　東北地方整備局が管理する御所ダム（岩手県盛岡市）と鳴子ダム（宮城県大崎市）ではダムの貯水率がゼロ％となったが、利水者からの要請に応じて最低水位以下の水の放流を実施している。
　北陸地方整備局は、新潟県内の地方自治体からの農地かんがい用水確保の支援要請を受け、ＴＥＣ－ＦＯＲＣＥが出先事務所の所有する災害対策用機械を出動させた。
　村上市では排水ポンプ車で荒川から取水した水をコンクリートミキサー車で運搬し、春木山地区に補給した＝写真。
　聖籠町では、新発田維持出張所の井戸水を排水管清掃車で直接給水した。近隣の排水路の水も工事用排水ポンプでくみ上げて補給した。
　上越市では水道水確保に向け、調整役として技術支援を行っている。