平日昼の閑散としたフードコート。老夫婦が筆者のそばに座った。会話はなく、近くのスーパーで買ったらしき弁当を広げた後、２人はおもむろにスマートフォンを取り出した。見過ぎては失礼だが、つい目がいく。一方はイヤホンをし、互いに目も合わせず静かなランチが始まった◆スマホは今や世代を問わず生活の一部となった。直感操作や通知、パーソナライズなど、人につい触らせる仕掛けに満ちている◆フードコートで昼食を取る老夫婦の光景を思い返すと、便利さに流され過ぎる怖さを感じる。かく言う筆者も知らず知らずのうちに誘導されているのだろう◆建設現場でも最近では便利さを追求したソリューションが増えている。しかし、それによりコミュニケーションが減っているのではないか。“リアル”こそ現場の魅力だ。