「あっ」。まちを歩いていると鈍い痛みで突然一歩も前に進めなくなった。「これがぎっくり腰か…」。しゃがみ込みたくてもしゃがむこともできず、前にも進めず、背負っていたリュックサックを地面に下ろすのが精いっぱいだった◆まちゆく人に「あの人は一体何をしているのか」と思われてはいないだろうかと考える余裕もなく、身もだえた。痛みからか吐き気を催し、一巻の終わりかと全身に鳥肌が立った◆そこから2週間ほど、いまだに腰が痛み、座って立ち上がるのがつらい中、相鉄線の電車に救われた。通常より少し高くて奥行きが浅い座席が設置されているため、立ち座りが楽なのだ◆当事者になって初めてその便利さに気づいた。社会にはさまざまな困難を抱える人がいる。まちの“バリア”の存在を考えさせられた。












