【変化柔軟に堅実な経営志す】
10月1日付で寄神建設の社長に就任した寄神裕佑氏。業績は堅調だが、欲張ることなく、バランスを取りながら、地に足をつけた企業経営を志している。「この会社をこれからも存続させるのが私の使命」と謙虚に語り、「変化が多い現代社会に柔軟に対応しつつ、チャレンジを続け、社会から選ばれ続ける会社でありたい」という寄神社長に経営や営業、人材確保の方針を聞いた。 --就任の抱負は
「寄神建設は海の仕事から始まった会社。そのアイデンティティーをこれからも守っていく。何かを大きく変えようという思いは強くないが、時代の流れに応じて変化させることは必要だろう。この会社をこれからも存続させるのが私の使命だ。トップダウンで何かを決めるのではなく、社員からの意見に傾聴し、『ボトムアップ』を重視する経営スタイルは、これからも継続していきたい」
--運営方針は
「近年、業績は順調に推移しており、これからも確実に利益を確保することを重視していく。一方、人手不足は顕在化しており、規模を追いかけて現場が回らなくなるような事態は避けたい。海洋土木のみならず、陸上土木も建築も、それぞれの事業が自立しながら、実績のある洋上風力発電や防衛関係の仕事も含め、総合建設業としてバランスを取りながら経営を進めていく。会社の規模や人材に見合った仕事を着実にこなしていくことが大切だ」
--人材確保と育成の考えは
「最大の課題は人手不足。とにかく人を増やしていかなければならない。新卒の大卒理系だけを待っている時代ではない。高卒、大卒文系、中途採用など、分野を問わず幅広く採用し、入社後にしっかりと育てていく方針だ。学生の皆さんやその家族に当社を知っていただくため、神戸アリーナとのオフィシャルパートナー契約締結や、神戸駅、神戸空港への看板設置など、知名度を上げるための広告宣伝にも力を入れている」
「新入社員教育には3カ月という期間をかけ、本社で各部署の業務を学んだ後、現場研修に移るというステップを踏んでいる。文系出身者でも現場で通用するよう、丁寧に育てている。女性であっても、努力して資格を取得すれば、現場所長など責任とやりがいのある立場に就いてもらっている」
--働き方改革の取り組みは
「社員からの提案を受け、働き方改革を進める委員会を設置した。現場の意見を真摯(しんし)に受け止め、さまざまな改善に取り組んでいる。勤怠管理についても、時間外労働が増えそうな社員にはアラートを出して上司が状況把握しやすい仕組みをつくり、仕事の割り振りを柔軟に調整するなど、残業時間を減らす努力をしている」
* *
(よりがみ・ゆうすけ)2001年3月大阪学院大経済学部卒後、同年4月寄神建設入社。15年常務、17年代表取締役常務、19年同専務、23年同副社長を歴任。趣味はゴルフ、家族や友人とのキャンプ。若い頃はバスケットボールや音楽活動に打ち込んだこともあった。兵庫県出身。1977年7月7日生まれ、48歳。
【記者の目】
社内でのコミュニケーションを大切にし、若い社員からベテランまで多くの社員が参加するゴルフコンペや食事会を企画し、良い交流の機会をつくっている。社員との間に距離ができることで「正しい情報が入ってこなくなり、経営判断を誤る」ことを危惧しており、忖度(そんたく)なく意見が言えるような、風通しの良い関係を築いていく考え。「社員発の新しいチャレンジは歓迎する。自分で考え、自分で動き、積極的に周囲を巻き込み、自らの思いを実現させてほしい」と期待を寄せる。
10月1日付で寄神建設の社長に就任した寄神裕佑氏。業績は堅調だが、欲張ることなく、バランスを取りながら、地に足をつけた企業経営を志している。「この会社をこれからも存続させるのが私の使命」と謙虚に語り、「変化が多い現代社会に柔軟に対応しつつ、チャレンジを続け、社会から選ばれ続ける会社でありたい」という寄神社長に経営や営業、人材確保の方針を聞いた。 --就任の抱負は
「寄神建設は海の仕事から始まった会社。そのアイデンティティーをこれからも守っていく。何かを大きく変えようという思いは強くないが、時代の流れに応じて変化させることは必要だろう。この会社をこれからも存続させるのが私の使命だ。トップダウンで何かを決めるのではなく、社員からの意見に傾聴し、『ボトムアップ』を重視する経営スタイルは、これからも継続していきたい」
--運営方針は
「近年、業績は順調に推移しており、これからも確実に利益を確保することを重視していく。一方、人手不足は顕在化しており、規模を追いかけて現場が回らなくなるような事態は避けたい。海洋土木のみならず、陸上土木も建築も、それぞれの事業が自立しながら、実績のある洋上風力発電や防衛関係の仕事も含め、総合建設業としてバランスを取りながら経営を進めていく。会社の規模や人材に見合った仕事を着実にこなしていくことが大切だ」
--人材確保と育成の考えは
「最大の課題は人手不足。とにかく人を増やしていかなければならない。新卒の大卒理系だけを待っている時代ではない。高卒、大卒文系、中途採用など、分野を問わず幅広く採用し、入社後にしっかりと育てていく方針だ。学生の皆さんやその家族に当社を知っていただくため、神戸アリーナとのオフィシャルパートナー契約締結や、神戸駅、神戸空港への看板設置など、知名度を上げるための広告宣伝にも力を入れている」
「新入社員教育には3カ月という期間をかけ、本社で各部署の業務を学んだ後、現場研修に移るというステップを踏んでいる。文系出身者でも現場で通用するよう、丁寧に育てている。女性であっても、努力して資格を取得すれば、現場所長など責任とやりがいのある立場に就いてもらっている」
--働き方改革の取り組みは
「社員からの提案を受け、働き方改革を進める委員会を設置した。現場の意見を真摯(しんし)に受け止め、さまざまな改善に取り組んでいる。勤怠管理についても、時間外労働が増えそうな社員にはアラートを出して上司が状況把握しやすい仕組みをつくり、仕事の割り振りを柔軟に調整するなど、残業時間を減らす努力をしている」
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(よりがみ・ゆうすけ)2001年3月大阪学院大経済学部卒後、同年4月寄神建設入社。15年常務、17年代表取締役常務、19年同専務、23年同副社長を歴任。趣味はゴルフ、家族や友人とのキャンプ。若い頃はバスケットボールや音楽活動に打ち込んだこともあった。兵庫県出身。1977年7月7日生まれ、48歳。
【記者の目】
社内でのコミュニケーションを大切にし、若い社員からベテランまで多くの社員が参加するゴルフコンペや食事会を企画し、良い交流の機会をつくっている。社員との間に距離ができることで「正しい情報が入ってこなくなり、経営判断を誤る」ことを危惧しており、忖度(そんたく)なく意見が言えるような、風通しの良い関係を築いていく考え。「社員発の新しいチャレンジは歓迎する。自分で考え、自分で動き、積極的に周囲を巻き込み、自らの思いを実現させてほしい」と期待を寄せる。













