風波・先日、家族の誕生日に小さな「コケリウム」を贈った。手のひらに収まる丸いガラスの世界に… | 建設通信新聞Digital

12月1日 月曜日

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風波・先日、家族の誕生日に小さな「コケリウム」を贈った。手のひらに収まる丸いガラスの世界に…

風波
 先日、家族の誕生日に小さな「コケリウム」を贈った。手のひらに収まる丸いガラスの世界に、静かな緑がふわりと広がる。なんとなく眺めるだけで空気を和らげてくれる慎ましい存在だが、最近ある研究結果が耳目を集めた◆北海道大学のチームが、コケの胞子を国際宇宙ステーションの外に9カ月さらし、地上に植えたところ、8割以上が発芽したのだ◆コケは他の植物が生存できない過酷な環境にも耐えるという。それでも宇宙空間の強烈な紫外線や極端な温度差に耐え、大半が再び地上で芽吹いたという事実は、想像のさらに上を行くしなやかさを物語る◆火星に近い環境で生き延びる種すらあるそうだ。いつか人の生存圏をコケが切り開くのだろうか。そう思うと、丸いガラスの中の緑が知らない異世界のように思えてくる。

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