日本芸術文化振興会（芸文振）は、ＰＦＩのＢＴＯ（建設・譲渡・管理）方式を採用する国立劇場再整備等事業の実施方針を公表した。２０２６年３月に特定事業の選定と総合評価一般競争入札の公告を予定する。同年９月の第１次審査資料の受け付け、１０月の１次審査結果通知、２７年６月の第２次審査資料の受け付けを経て、９月に民間事業者を選定し、１０月の基本協定締結、１２月の事業契約締結を予定している。設計・施工期間は、芸文振が想定する６年６カ月に加えて、１年９カ月を余裕期間として設けた。
　応募者は、設計、建設、工事監理、維持管理の各業務を担う企業で構成するグループとする。参加資格は、設計企業と工事監理企業が文部科学省の設計・コンサルティング業務の認定、建設企業は建築一式工事１２００点以上、電気工事１１００点以上、管工事１１００点以上の認定を受けていること。維持管理企業には「役務の提供等」のうち「建物管理等各種保守管理」でＡ－Ｃ等級の認定を受け、「関東・甲信越」地域の参加資格があることを求める。
　事業者の業務内容は、施設整備業務、施設引き渡しから２０年間の維持管理業務とし、ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）の設計・施工や仮移転先への引っ越し業務、「舞台付きレストラン（仮称）」の内装・設備などの整備は含まない。民間収益施設は、事業者の提案を必須条件とせず、文化観光拠点としての機能強化と周辺地域との調和に寄与するものとし、定期借地事業で実施する。事業費の支払い方法はサービス購入型とする。
　整備する施設の規模は、舞台・楽屋（大劇場、小劇場、演芸場、共通）、大道具、稽古場、客席・ホワイエ、養成研修、調査資料、普及発信（展示室、レクチャー室、舞台付きレストラン、グランドロビー）、事務管理、１９００㎡程度（収容人数２００－２５０人程度）の舞台付きレストラン、廊下などで構成する延べ４万７９３０㎡と、地下駐車場５６００㎡の計５万３５３０㎡。整備場所は、東京都千代田区隼町４－１の敷地３万０８１８㎡。
　アドバイザリー業務や設計など関連業務は、ＥＹ新日本有現責任監査法人、Ｐｗｃアドバイザリー、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、香山建築研究所、山下ＰＭＣ、金箱構造設計事務所、環境エンジニアリング、協和建築積算事務所、空間創造研究所、ＫＡＰ、永田音響設計が担当した。