CM業務売上高・前年に続き過去最高/需要強まるも供給に課題/CM協会市場調査 | 建設通信新聞Digital

2月2日 月曜日

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CM業務売上高・前年に続き過去最高/需要強まるも供給に課題/CM協会市場調査

CM業務の売上高
「比較対象22社」は、22-25年度全てに回答した会社の集計。22年度売上高を100%とした比率
 日本コンストラクション・マネジメント協会(日本CM協会、吉田敏明会長)は29日、2025年度のCM業務市場調査結果を公表した。具体的な回答のあった34社のCM業務売上高は前年度比4.9%増の427億円となり、前年に続き過去最高を更新したものの、受注者側の人手不足などもあって売上高の伸び率は鈍化した。 調査は、25年3月末時点でCCMJ資格者が在籍している398社と建設コンサルタンツ協会のPM専門委員会所属企業の18社が対象。48社から回答を得た。
 CM受託実績のある35社のうち、直近決算期のCM業務売上高が『前年決算期に比べて増えた』とした企業は6割に達した。
 発注者別の売上高では、官庁・公共団体発注が初めて70億円を超えた。調査結果を報告した日本CM協会の小倉哲氏は「技術職員が少ない市町村を中心に、発注が増加傾向にある」という。
 用途別では、事務所が50億円超で最大。続いて『生産・R&D(公的研究施設を含む)』が30-40億円を占めた。『データセンター』は10億円程度だった。
 今回の調査では新たに、ここ2年間の建設費上昇の肌感も尋ねた。回答社の中では『15-25%上昇した』と感じている企業が3割を超えて最多となり、『35%超増加』とする回答も2割に上った。
 価格高騰や人手不足に伴う発注方式の変化を読み取るため、今回の調査では、発注方式の増減について会員が感じている所感を尋ねた。
 その結果によると、設計施工分離発注は全体で2割以上が『減った』と感じていることが分かった。一方で、設計施工一括(DB)やECI(施工予定技術者事前協議)方式は、半数以上が『増えた』または『検討に挙がることが増えた』との回答を寄せた。
 結果について、小倉氏は「早期に設計・施工者を確定させたい発注者の意向が反映される結果となった。受注者の特定を急ぐ一方で、建築・電気・設備の分離発注は増加している印象で、電気・設備技術者の人手不足の深刻さがうかがえる」と分析している。
 調査ではこのほか、既存施設のコンバージョン・再生検討、移転集約・組織改編・経営戦略、企業の働き方改革など、従来のCMとは異なる業務の増加も報告された。
 建築プロジェクトの一時停止や中止などが散見される中、CM業務の需要について吉田会長は、「一時停止や中止そのものにも高度な判断が必要だ。プロジェクトを巡る環境の不透明さが増し、専門家であるCMR(コンストラクション・マネージャー)がますます求められている」と話した。
 ただ、現場の肌感では「断らざるを得ないほどの手いっぱいだ」とし、公共発注でも応札者が現れないケースが散見されるという。今後は、担い手の増加に加え「資格・教育の両面で、複雑化している発注者のニーズやプロジェクト運営に応えられるCMRを増やしていく必要がある」との認識を示した。