建設技能者の継続的な育成に向け、業界全体で教育訓練を支える新たな仕組みを構築するための議論が始まった。OFF-JT(職場外訓練)による体系的な訓練を各地に広げるため、必要なカリキュラムや教育訓練機関に対する支援、財源確保策などを話し合い、今後数年かけて新たな教育訓練体系をつくり上げる。早期に始める事業は2026年度から順次着手する。
建設産業人材確保・育成推進協議会に設置し、建設業団体や専門工事業団体、学識者などで構成する「新たな教育訓練体系構築検討会」(座長・蟹澤宏剛芝浦工大建築学部建築学科教授)の初会合を5日に開いた=写真。オブザーバーとして国土交通省や厚生労働省も参加する。
建設技能者の大半は中小企業で働き、入職後の育成はOJT(職場内訓練)で、認定訓練校による教育訓練も一部にとどまる。そのため、雇用保険制度に基づく能力開発事業を補完し、業界全体で技能者の教育訓練を支える仕組みを構築していく。
検討会では新たな教育訓練体系の全体像をはじめ、職種やレベルに応じたカリキュラム・教材、講師の育成方法、財源の在り方、教育訓練実施機関に対する支援方策などを幅広く議論する。建設業団体や職業訓練法人などが行政機関や教育機関と連携しつつ、既存施設を活用したOFF-JTが全国各地で行われるような支援の在り方を検討する。
実施する教育訓練は、当面新人訓練に重点を置きつつ、在職者訓練も対象とする。技能者だけでなく外国人や技術者の訓練も視野に入れる。国の産業政策や労働政策への位置付けも目指していく。
財源は各団体による資金拠出を想定。26年度からカリキュラムや教材の作成などに着手したい考えだ。
会合の冒頭、国交省の楠田幹人不動産・建設経済局長は「担い手を確保し、育成に力を入れて産業の持続性を高めることが重要になる。技能が身に付き、高い処遇が受けられ、若者が入りたいと思える業界にしたい」と述べた。
蟹澤座長は「劇的に人が増えることはないため、入職した人に続けてもらう必要がある。将来に夢が持てて自分自身が成長を実感できる能力評価システムや教育システムを早く見える化しなければならない」と話した。
座長以外の検討会のメンバーは次のとおり。
▽西野佐弥香京大大学院工学研究科准教授▽堀田昌英東大大学院工学系研究科教授▽中原淳日本建設業連合会事務総長▽原田知明日建連労働委員会委員▽山崎篤男全国建設業協会専務理事▽青柳剛全建労働委員会委員長▽岩田正吾建設産業専門団体連合会会長▽加賀美武富士教育訓練センター専務理事▽小倉範之全国建設労働組合総連合書記長▽三野輪賢二建設技能人材機構(JAC)理事長▽岡本裕豪JAC専務理事▽谷脇暁建設業振興基金理事長▽長谷川周夫建設業振興基金専務理事。
