国土交通省は、道路インフラの維持管理技術の社会実装を後押しするため、供用中の道路構造物や実大供試体を使った性能実証を支援する「道路インフラ・オープンラボ事業」を2026年度から実施する。サンプルの採取などで構造物の破壊が生じる場合の原状復帰費用や実大供試体の活用にかかる費用を補助する。実証結果を基に、性能確認のマニュアルを作成し、道路管理者がその技術を受け入れられるようにし、新技術の導入促進を図る。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の3期ではインフラの診断、措置、記録のサイクルを効率的に循環させるスマートインフラマネジメントシステムの研究が進められ、道路インフラの分野でも維持管理の効率化に向けた技術開発が進展している。
ただ、最終的な社会実装には性能実証が必要となるものの、耐久性の試験では実際の環境で長期の暴露をしなくてはならないなど、時間と手間が掛かることがネックとなっている。そのため、性能実証に供用中の道路構造物や実大供試体を活用しやすい環境を整えることで社会実装を加速させる。
同事業では、供用中の道路構造物で性能実証を行う際のフェールセーフに関する措置や現場周辺の規制などの経費、実大供試体の使用でかかる費用などを補助する。例えば、道路構造物で破壊を伴う検証が実施できるよう、原状復帰費用など道路管理者が通常は負担しにくい費用を支援する。
国交省道路局国道・技術課の近藤弘嗣道路技術調整官は「この事業を通じて、既に完成の域に近いレベルの技術を道路管理者が受け入れられるところまで持っていきたい」と語る。
同事業は、政府が進める「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」の26年度新規施策に採択された。期間は3年間を予定。26年度に検証計画を立てて補助対象の技術を決め、27、28年度に性能実証を進める。
