国土交通省は、直轄工事に適用する技術提案・交渉方式の運用ガイドラインを改定する。契約変更を巡る受発注者のリスク分担を明確にするため、施工時のリスクとなり得る不確定要因に関する共通認識が契約図書に適切に反映されるよう記載を改める。受発注者間の齟齬(そご)を防ぎ、円滑な施工につなげる狙いがある。
ガイドラインは設計・施工一括発注方式やECI(施工予定技術者事前協議)方式の契約手順を整理している。受発注者や建設業団体への意見聴取で把握した課題を踏まえ、実態に合っていない箇所を見直す。
現行ガイドラインでは受発注者のリスク分担の考え方について、不確定要因に関する双方の共通認識を契約図書に反映することができるとの記載にとどまるため、一部で反映されていないケースがある。受発注者間で認識にずれが生じると契約変更の適用を巡って対立する恐れがある。建設業団体からはリスク分担の明確化を求める声が出ており、過去の改定時に継続検討としていた。
今回の改定でリスク分担の記載を見直し、不確定要因に関する共通認識について、契約図書への反映を推奨すると明記する。より強調する文言とすることで特記仕様書などに適切に反映されるようにする。
優先交渉権者に提出を求める見積もり条件書の記載例も拡充する。過年度に技術提案・交渉方式を適用した工事の実績を踏まえ、地質・土質、地元・関係機関協議などの条件例を追加する。不確定要素が発生した場合の特記仕様書の記載例も充実させ、発注者に参考にしてもらう。
公告から技術提案書提出までの標準的な手続き期間も今回の改定で見直す。既にほとんどの案件で標準期間以上を確保しているが、現場条件が複雑な場合などは手続き期間が短かったため、WTO対象は1-2.5カ月程度、それ以外は1-2カ月程度とする。
技術協力業務の履行期間の設定例について、予備設計からスタートする場合の期間を追加する。現行ガイドラインで例示する期間は予備、詳細のいずれの段階からか明確でなく、業務期間に余裕がないケースがあった。
