【施工=安藤ハザマ・熊谷・淺沼組JV】
四国地方整備局は10日、愛媛県大洲市で進めている「山鳥坂ダム本体建設工事」の起工式を開いた。式典会場となった肱川風の博物館には、国会議員や国土交通省、四国地方整備局幹部のほか、関係自治体首長ら約100人が出席した。肱川の洪水調整や流水の正常な機能維持を目的に1級水系肱川の支川である河辺川に新たなダムを整備する。施工は安藤ハザマ・熊谷組・淺沼組JVが担当。総事業費約1980億円を投じ、2032年度の事業完了を目指す。
主催者あいさつに立った奥田晃久局長は、関係者に感謝を伝えるとともに「スピード感を持って整備していく。治水事業を通じて、肱川流域住民が安全で安心に暮らせるよう連携して取り組んでいく」と述べた。
来賓の中村時広愛媛県知事は「ここに来るまで紆余(うよ)曲折はあったが、大事なことは人の命を守ることや地域の安全度を高めることだ。スムーズかつ無事に進むことを願っている」と祝辞を寄せた。このほか、長谷川淳二衆院議員や山本順三参院議員、二宮隆久大洲市長があいさつした。
同局山鳥坂ダム工事事務所の藤本智宏所長が工事概要を説明した。施工者を代表して安藤ハザマの池上徹副社長は「極めて重要な国家プロジェクトである。一日でも早い完成を願う地域の声に応えるため、共同企業体構成会社と協力会社が一丸となって工事にまい進する。ダム建設は数多くの土木技術を高度に駆使していく。大規模な土工事や自然環境を相手に、多くの困難が待ち受けているかもしれない。われわれは強い決意と豊富な技術、安全管理体制をもって取り組む覚悟だ」と無事故無災害の完成を誓った。その後、参加者が鍬(くわ)入れとくす玉を開披し、起工を盛大に祝った=写真。
山鳥坂ダムの諸元は堤高約96m、堤体積約53万m3、堤頂長約279m、総貯水容量約2200万m3。重力式コンクリートダムとしては、高さ、体積とも四国で3番目の規模となる。1986年から実施計画調査に入り、92年に事業着手した。2025年7月には付替県道が一部開通したほか、河辺川の流れを切り替える転流を実施した。ダムサイトを中心に伐採を進めており、26年度は基礎掘削に着手する。早ければ同年度内に堤体工に取り掛かる。
『平成30年7月豪雨』を契機に、国と県が一体となって肱川緊急治水対策を進めている。山鳥坂ダムが完成すると、流域の鹿野川ダムや野村ダム、河川整備を合わせて同豪雨と同規模の洪水を安全に流下させることができる。
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川本卓現場代理人(安藤ハザマ)の話 「社是である『安全はすべてに優先する』を厳守する。事故なく、ダム機能が早期に発揮できるよう工事を前に進めていきたい」
