日本建設業連合会(押味至一会長)は、近年の金利上昇に伴い、元請けによる立て替え金の負担が増大しているとし、設計変更手続きの円滑化や支払いの適正化を発注者に働き掛ける。会員企業アンケートによると、発注者の支払いが先行せず、金利収支がマイナスとなった現場が約7割に上った。数年にわたる工事の途中で生じた複数の変更契約を最後にまとめて行うケースなどがあるが、年度末などの一定期間ごとに変更契約を結び、都度支払いを実施する形式などを提案する。
日建連が1月に行った支払い方式に関するアンケートによると、全238現場のうち、約7割が「取引先への支払いが先行しており、資金の借り入れが必要となった(金利収支マイナス)」と回答した。残りの約3割は、発注者からの支払いが先行しており、取引先への支払い原資とすることができていた。
受注者の資金繰りが悪化した要因を聞いたところ、「設計変更がまとまらず、出来高金を受領できなかった」が最多で、次いで「発注者の入金が出来高査定の遅れや未実施で想定より後ろ倒しになった」が多かった。日建連は、中間既済検査の円滑化や前払い金、中間前払い金の活用拡大などを含め、支払いの適正化を呼び掛ける。
そもそもとして、金利上昇の有無にかかわらず、スムーズな現場運営には、円滑かつ迅速な設計変更手続きが欠かせない。会員調査によると、現場着手前に協議資料作成などの受発注者間の役割分担を明確にする会議が開かれ、有効に機能した現場は、回答があった国土交通省直轄(道路・河川)130現場のうちの約5割にとどまった。また、設計変更審査会に、決定権限を持つ発注者が毎回参加していない現場が約3割あった。
日建連は、決定権者の会議参加の徹底やあらかじめの役割分担の明確化を要請。やむを得ず、発注者に代わって受注者が設計変更に関する資料作成や検討業務を行う場合には、必要な費用負担と工期延長を求める。
さらに、国交省に比べて、スライド条項適用率が低い発注機関が散見されると指摘し、適時適切なスライド適用と変更手続きの円滑化に向けた取り組み強化を働き掛ける。日建連の調査によると、スライド適用率は、国交省(道路・河川)が67%となっているのに対し、民間鉄道は38%、電力会社は44%、高速道路会社と防衛省が各56%などとなっている。
