国土交通省は13日、社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会本州・九州連携小委員会(委員長・羽藤英二東大大学院教授)の第4回会合を開いた。山口県下関市と北九州市を長大橋で結ぶ「下関北九州道路」の事業化を見据え、最新の橋梁技術の導入要件や、車両の大型化に対応する構造設計について意見を交わした。
委員会では、下関北九州道路を含む本州・九州間の道路ネットワークの在り方について有識者にヒアリングしており、今回は日本橋梁建設協会、全日本トラック協会、本州四国連絡高速道路が出席した。
橋建協の川田忠裕会長は、国内の橋梁建設会社がピーク時の76社から30社に激減した窮状を報告。国内のつり橋の建設は2008年が最後で、当時のプロジェクトに関わった技術者の高齢化も進んでいる。川田会長は「国内で長大つり橋の建設機会が失われれば、英国のように海外企業に頼らざるを得ず、安全保障上のリスクになる」と強い危機感を示し、下関北九州道路建設への期待を述べた。
橋建協は、技術的な具体策として、ライフサイクルコストを抜本的に軽減する設計の重要性を強調。高い強度と溶接施工性を両立する「橋梁用高性能鋼材(SBHS)」などの採用により、全体コストを最適化できるとした。
また、これまでのトラス形式は塗装などの維持管理が困難だった反省を踏まえて、より表面積が少なく、維持管理しやすい箱桁などの採用が、将来の維持管理費の軽減に直結すると指摘した。
このほか、地盤や風況などの事前調査の重要性や設計施工一括(DB)方式の採用などを訴えた。
物流ネットワークの観点では、将来の車両大型化への対応を議論した。全日本トラック協会からは、関門トンネル(35t)や関門橋(44t)の重量・高さ制限がボトルネックになっているとして、車両総重量60t以上、幅3.5m、高さ4.3mといった大型車両に対応した道路の仕様の要望があった。
委員の根本敏則敬愛大特任教授は、欧州での60t連結トラック(通称・ギガライナー)解禁の議論に触れ、「将来的に60tが走れるネットワークにすべきだ」と提起。これに対して橋建協は「長大橋の設計でネックとなるのは車両総重量よりも各タイヤから床版に伝わる軸重だ」と見解を示した上で、新設橋梁であれば、大型車両の走行設計に「十分対応できる」と応じた。
