全国建設業協会の今井雅則会長は5月29日、首相官邸で高市早苗首相と面会し、公共事業予算の確保などに関する緊急要望を行った。今井会長は、高市政権が掲げる危機管理投資・成長投資による強い経済の実現のため、防災・減災、国土強靱化の着実な推進と経済成長力に資するインフラ整備の加速化が求められると強調。そのためには、建設資材の価格高騰や人件費の上昇を上回る公共事業予算の増額により、2025年度補正予算と26年度当初予算を合わせた分を超える実質事業量の確保が必要と働き掛けた。
全建要望ではまず、社会資本整備・維持管理の担い手、災害時の地域の守り手であり、地域の経済や雇用も下支えしている地域建設業の役割に言及。その上で、最近の物価高騰による公共工事の実質投資額の減少で発注件数が減り、経営環境の厳しさが増していると窮状を訴えた。
また、中東情勢の影響で、ほぼ全ての建設資材で価格高騰が発生し、中でも石油化学系資材は安定供給が懸念される状況が続いていると現状を説明した。
このような実態を踏まえ、今井会長は、地域建設業が魅力ある憧れの産業として、その社会的使命を持続的に果たしていくために、4項目からなる要望書を高市首相に手渡した。予算増額による実質事業量の確保については、例年6月中に閣議決定される経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」への反映も求めた。
塗料や塩化ビニール管、接着剤などの石油製品に関しては、価格の安定と需給状況の改善を要請。公共・民間を問わず全ての工事で、適切な価格転嫁や柔軟な工期延長が行われる環境整備も呼び掛けた。工期延長時における元請けの資金繰りへの影響を緩和するため、部分払いなどによるキャッシュフローの改善も要望した。
今井会長の肝いりで、建設業の生産性向上への支援強化を盛り込んだ。投資余力の拡大に必要となる利潤を確保するための入札制度改善や、国土交通省ICT補助金の増額・追加を提案した。全建が交付事務を担当する26年度のICT補助金は、予算額3億円に対し、2倍以上となる6億3000万円の応募があったと経過を説明した。
さらに、酷暑や積雪などの環境制約に対応した柔軟な働き方ができるよう、変形労働時間制を活用しやすくする制度見直しを求めた。勤務カレンダーを30日前までに定める現行ルールの改善や手続きの簡素化などを働き掛けた。
