政府は2日、第9回「中東情勢に関する関係閣僚会議」を開き、シンナー・塗料の供給量を確保するため、原料となるトルエンなどを最大で例年比1.8倍と大幅に供給拡大する方針を示した。工務店などへの材料行き渡りにつなげる。一方、全国建設労働組合総連合(全建総連)へのヒアリングなどを踏まえて、一人親方への建設・住宅資材のプッシュ型の情報提供も引き続き進めていくことを報告した。
東京・永田町の首相官邸で開いた同会議の場で、高市早苗首相は「塗料・シンナーなどにつながるサプライチェーンの在庫は他と比較して少ないため、原料であるトルエン・キシレンを石油化学メーカーのみならず、石油元売りからも従来を超える量をメーカーなどに新たに直接供給し、例年の需要の1.8倍の供給を可能にする。これにより地域の隅々の工務店にも塗料・シンナーを行き渡るようにする」と明言。
一方、「それ以外のナフサ関連製品は十分な在庫が確認されているが、塩化ビニール管・断熱材など、相談が引き続き多い物については、供給見通しの共有不足、実績以上の発注などによる目詰まりの解消を強化する」と語った。
新規施策として、トルエン・キシレンの大幅な供給拡大に向け、新たに石油元売りが原油を精製する段階で得られる原料を直接シンナー・塗料メーカーに供給するルートを構築する。従来のルートは、石油化学メーカーから商社を通じてメーカーへの供給となっており、シンナーなどへの割り当ては供給量全体の2割程度にとどまっている。今回、その他の用途分をシンナーに振り分けて供給する。経済産業省の担当者は、「一人親方や工務店からの『現場に届いていない』との声を重く受け止めた」としている。
業界団体が示した供給見通しによると、塩ビ管・塩ビ継ぎ手は「5月以降平年並みの生産、出荷を維持できる見込み」、断熱材は「今後も前年同月並の生産・供給量を維持できる状況」、ユニットバスは「通常時の発注を前提に安定的な製品供給の維持が可能となる見込み」などとしている。
国土交通省は、前回会議を踏まえ、5月26日から全建総連の一部組織への先行的ヒアリングを開始した。塩ビ管に関しては「入手可能だが、納期が長い場合がある」との声があるため、「受注状況が改善傾向で、6月以降は例年並みに納入できる見込み」と回答した。
現場からは屋根防水下地材について「納期未定のまま待ち続けており、工事の見通しが立たない」という声があるため、「大量注文で受注整理を行っていたメーカーが6月中・下旬をめどに新規受注再開見通し」との状況を国交省は報告した。さらに情報収集を進めて地方経済産業局と共有し、供給の偏りや流通の目詰まり改善につなげる方針だ。
