国土交通省は、自動運転社会の早期実現に向けて当面取り組む方策をまとめた。将来の道路メンテナンスの無人化を見据えて、2026年度から自動運転車両を活用した道路維持管理の実証に取り組む。実証結果を基に直轄国道のパトロールから活用していく方針だ。路車協調システムの技術基準や、自動運転車両が最適に走行できる道路空間の構築に向けたガイドラインの策定も進める。
方策は、8日に開いた「国土交通省自動運転社会実現本部」第3回会合で決めた。その柱にドライバーの関与をほぼ必要としない高度な運転を支援する「レベル2++(プラスプラス)」車の普及や自動運転車両が安全、円滑に移動できる道路の実現、多様な輸送モードによる自動運転の推進など7項目を掲げた。
道路維持管理業務については、自動運転車両が活用できる場面に日常点検、災害時の緊急点検や資機材輸送、除雪、凍結防止剤散布、清掃、散水を挙げたほか、標識車や先頭固定車としても使えるとした。AI(人工知能)やセンサーによる異常検知機能の導入も想定している。
自動運転車両の活用により、担い手不足が課題となっている維持管理業務の省力化や無人化が図れるとともに、巡回頻度や作業頻度、作業員の安全性、現地対応力などの向上が見込まれ、長時間作業も可能となることを示した。
実証と合わせて道路巡回で走行した映像データなどを車両開発のメーカーと共有し、研究開発を後押しする。
路車協調システムは、車両からは検出しにくい死角などを検知し提供する仕組みを構築する。技術基準の策定に向けて一般道や新東名高速道路、東北自動車道で実証実験を行う方針だ。
一般道では、歩行者や自転車、自動運転車両などがそれぞれ安全な移動空間を確保できるようにガイドラインを定める。最適な移動空間の在り方や乗降場所の高度化を検討するため、こちらも実証実験を進める。
このほか、自動運転を支えるまちづくりとして人中心の駅前広場整備や居心地が良く歩きたくなる街なか空間の形成、コンパクト・プラス・ネットワークの推進に取り組む。道路空間を生かした自動物流道路の実現や自動物流を支える基幹物流拠点の整備にも力を入れる。
会合では、金子恭之国交相が▽中長期的な視点に立った制度設計や環境整備▽「レベル2++」車の普及に向けた施策検討▽国交省分野での自動運転車両導入の具体化▽27年度予算の概算要求への準備--の4点に取り組むよう各局に指示。「自動運転社会が実現する未来はもうそこまで来ている。国交省の総力を挙げて果敢に取り組んでいこう」と呼び掛けた。
