日本建築構造技術者協会(JSCA、小林秀雄会長)は、第37回JSCA賞の受賞者を発表した。奨励賞に「松本市立博物館」を手掛けた久米設計の伊藤央氏と、「CLAAPIN SAGAE(クラッピン サガエ)」を設計した木下洋介構造計画の木下洋介氏の2人が選ばれた。新人賞には、「MUWA NISEKO」の平井健太氏(日建設計)、「ニコン本社/イノベーションセンター」の中村俊介氏(三菱地所設計)が輝いた。作品賞と業績賞は該当なしとなった。
作品部門計20作品(うち新人賞対象9作品、木造関係8作品)の中から10件を現地審査した。作品部門の業態別内訳は、専業事務所5件、大手組織事務所8作品、総合建設会社7作品となった。
渡邊秀幸JSCA賞委員会委員長は、「最終選考では3作品について審議を尽くしたが、いずれも作品賞のレベルに至らなかった」と講評した上で、「多様な用途・構造を持つ作品が集まり、新人賞の選考でも候補者から建築への深い情熱を感じるなど、近年と同様の充実度だった。今後のさらなる活躍に期待したい」と今後の作品に期待を寄せた。
松本市立博物館は、景観調和や高度な安全性、空間的魅力などが求められる高難度な計画の中で、構造設計者が建築の骨格・空間の質向上の双方を主導する役割を果たした点が評価された。
「CLAAPIN SAGAE」は、地元企業を主としたPFI事業の設計・施工チームで、複雑な建築形態と厳しい環境条件に対する構造計画を他分野の専門家と協働してまとめ上げた点が高評価となった。
新人賞のうち、「MUWA SEIKO」は日本的要素を取り入れた外観デザインに対してシンプルで明快な構造計画を追求・実現した点、「ニコン本社/イノベーションセンター」はオフィス棟のじか天井を構成するPC-鋼合成スラブを考案した上で計算などを主導的に推進し、光を取り込むオフィス空間を成立させた点などで評価を獲得した。
受賞作品の概要は次のとおり((1)建築主(2)設計監理(3)施工(4)構造・規模(5)主要用途)。
〈奨励賞〉
▽松本市立博物館(長野県松本市大手3-2-21)=(1)松本市(2)久米設計・伊藤建築設計事務所・乃村工藝社JV(3)戸田建設・ハシバテクノス・松本土建JV(4)RC(PC)一部S造3階建て延べ7774㎡(5)博物館。
▽CLAAPIN SAGAE(クラッピン サガエ)(山形県寒河江市八鍬川原919-6)=(1)寒河江市(2)羽田設計事務所、NIIZEKI STUDIO(3)高木・シェルターJV(4)RC・S・木造平屋建て延べ2000㎡(5)児童福祉施設。
〈新人賞〉
▽MUWA NISEKO(北海道虻田郡倶知安町山田204-19ほか)=(1)エイチプロパティーズ(特定目的会社)(2)日建設計(3)大成建設(4)RC一部SRC造地下2階地上7階建て延べ2万0817㎡(5)ホテル(分譲型コンドミニアム)。
▽ニコン本社/イノベーションセンター(東京都品川区西大井1-5-20)=(1)ニコン(2)三菱地所設計(3)安藤ハザマ(4)S一部RC造6階建て延べ4万2423㎡(5)事務所、店舗。
