東京都港区で計画が進行する六本木五丁目西地区のまちづくりが、新たな局面を迎えた。森ビルと住友不動産が参画する再開発準備組合が進めている同地区第一種市街地再開発事業に加え、隣接地に本社を構えるテレビ朝日によるF・G地区の整備方針が新たに明らかとなった。六本木五丁目西地区の玄関口として、市街地再開発事業と連携した結節機能の整備などを進める。F・G地区は今年度中の地区計画変更を皮切りに事業が本格化する見込みだ。さらに、市街地再開発事業は今年度中の組合設立、2027年度の権利変換計画認可を経て着工し、32年度に全体竣工する見込みであることも分かった。
7月29日の区建設常任委員会で報告された内容によると、F地区の敷地は約2030㎡。現在は駐車場などがあり、土地は森ビル・住友不動産・テレビ朝日が共同で所有している。24年に都市計画決定した「六本木五丁目西地区地区計画」で再開発等促進区に指定され、当初から施設整備などの構想があったが、G地区の計画進行と足並みをそろえるために事業内容の具体化に遅れが生じていた。地区計画変更では、建築物の高さ最高限度や敷地面積の最低限度、容積率の最高限度などを新たに指定することで、地区内における高度利用を可能とする。
G地区は芋洗坂を挟んだ西側にある六本木六丁目の敷地約2000㎡。「イケガミビル」などが立地するが、土地は既にテレビ朝日が取得している。地区計画変更で、六本木五丁目西地区地区計画区域に追加される。
両地区の整備は、ともに市街地再開発事業とは別に、テレビ朝日が単独で事業を進める。芋洗坂や環状3号線、けやき坂などが交わる六本木五丁目西地区の玄関口として「国際文化都心の形成に資する、交差点を中心としたまち・人・文化をつなぐ結節点」をまちづくりの目標とする。
F地区では市街地再開発事業と連動して、芋洗坂(特別区道第1104号線)を拡幅延伸するほか、歩行者ネットワークを整備し、六本木から麻布十番方面への回遊性向上を促す。立体広場や歩道状空地なども整備する。
同地区に整備する施設規模は、地下3階地上10階建て延べ約1万2565㎡を見込む。最高高さは60m。文化芸術やエンターテインメントの情報発信拠点として、多目的ホールやオフィス、商業施設などを設ける方針だ。
G地区の施設規模は未定だが、六本木の特性を生かした文化交流機能などを整備する見込み。F地区と同様、結節機能としての広場や滞留空間も設ける。
両地区は今年度中に地区計画の都市計画変更を受ける見込みで、F地区は28年度の着工、31年度の竣工を目指す。G地区も、32年度の全体竣工に間に合うように設計・施工を進める見込みだ。
森ビルと住友不動産が事業協力者として参画している「六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業」では、A-1街区の延べ約79万4500㎡、高さ327mの施設建築物を含め、総延べ床面積は約108万㎡を見込む。08年に準備組合が設立された。今年6月に就任した森ビルの向後康弘社長は就任会見で、建築費の高騰や工期の長期化により、30年度の竣工が難しい状況にあることを説明していた。
