中東情勢の影響で供給不安が続くナフサ由来の建設資材について、国土交通省は代替品の調達や、調達経路の見直しなどで発生した追加費用を設計変更で対応する運用を16日から全ての直轄工事で始めた。既契約工事も含めて対象とする。スライド条項の適用が難しい場合でも、資材高騰分が請負金額に反映されるようになる。地方自治体にも参考にしてもらい、適正な価格転嫁を促していく。
直轄工事の対応を周知する文書を同日付で地方自治体向けに送付した。
ナフサ由来の建設資材は多岐にわたるため具体的な品目は指定せず、受発注者による協議の上で現場ごとに設計変更の適用可否を決める。
設計変更を適用するケースとして、ナフサ由来の建設資材を代替品に変更する場合を想定する。例えば、塩化ビニール管が手に入らず鋼管に置き換えたため追加の負担が生じた事例などが該当する。
このほか、設計図書どおりの資材であっても、遠方からの調達で追加の運搬費がかかったり、流通状況によって資材が値上がりしていたりするケースも設計変更の対象とする。
資材高騰に対応する単品スライド条項の現行ルールでは、対象資材の上昇分が請負額の1%を超えないと適用できない。中東情勢の影響で多数の建設資材が値上がりする一方、高騰した資材のみではスライド適用が難しく、建設業界からは設計変更での対応を求める声が上がっていた。
経済調査会の5月時点の調べによると、石油系資材の調査対象17品目のうち6品目が前月と比べて価格が上昇していた。このうちナフサ由来の断熱材や塩化ビニール管などの価格見通しは強含みとなっており、予断を許さない状況が続いている。
金子恭之国交相は同日の閣議後会見で「国交省直轄工事の現場ではナフサを由来とする建設資材の調達に当たり、代替品の調達や流通経路の見直しなどが生じていることから、受注者が柔軟に資材を調達できる環境を整え、安心して施工できるようにする」と述べた=写真。
