大林組は18日、豪州、英国、カナダで建築事業を展開する「Multiplex(マルチプレックス社)」の持株会社の全株式を取得し、同社を子会社化することを決めた。株式取得価格は約838億円(1米ドル当たり159円で換算)。大林組が最重要建設市場と位置付ける豪州をはじめ、英国の建設市場への本格的な事業展開、既に土木事業を展開しているカナダの建設市場におけるプレゼンス強化を狙う。
株式取得実行日は、行政当局による承認などを得た上で、9月30日を予定している。マルチプレックス社の全株式を保有する持株会社「BCI UK Holdings」の全株式を取得する。株式取得のために設立した現地法人に加え、BCI社とマルチプレックス社との資本関係の中間に存在する持ち株会社の2社については、大林組の特定子会社となる。
マルチプレックス社は、豪州建設市場における最大手企業(Tier1)の一つ。1962年設立の豪州の事業体を前身母体に、事業体制再編を経て2016年に設立された。
従業員約2500人を抱え、60年以上にわたって豪州を中心に建築事業を展開してきた。高層建築、病院、データセンターなどの付加価値の高い建築分野で高い評価を得ており、豊富な手持ち工事高を確保している。英国でも強固な競争優位性を確立し、カナダにおいても堅調な成長を続けている。
25年12月期の売り上げ規模は約38億米ドル、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は約6200万米ドル。現在ほぼ活動していない一部の国・地域の事業は、子会社化前に既存親会社に事業譲渡する。
子会社化によりマルチプレックス社は、大林組による与信補強、グループ内の施工実績の活用やJV組成、営業情報の共有などにより、採算性を重視した受注の拡大が期待できる。大林組側も、マルチプレックス社の各事業地域の知見・ビジネスネットワークを獲得することで、建設周辺事業や不動産開発事業など、新たな投資機会の獲得を期待している。
