JR東日本は2027年度末に、日本初の水素ハイブリッド電車「HYBARI(ひばり)」=写真=の営業運転を実現する。次世代水素ハイブリッド電車の開発もスタートさせ、30年度末をめどにその営業運転を目指す考え。高圧の水素を充てんできる設備も整備し、海外で製造して国内に輸入される水素や、国内の再生可能エネルギーが豊富な地域で製造される水素の活用を検討する。将来的には、海外展開も視野に入れる。
HYBARIには、水素を燃料とする燃料電池装置と蓄電池を搭載している。水素は燃料電池に供給され、空気中の酸素と化学反応させることでCO2を排出せずに発電できる。22年3月から実証試験を実施し、車両性能やシステムの安定性を検証した。
今回、試験車両のHYBARIを営業車両に改造し、鶴見線と南武線の尻手~浜川崎間で営業運転を始める。川崎市にある鎌倉車両ベース(中原)で35メガパスカルの高圧水素を充てんする。1回の充てんで走行できる距離は約70㎞だ。
次世代水素ハイブリット電車の開発も始める。70メガパスカルの高圧水素を使って、ディーゼル車両と同等の走行距離を確保するとともに、連続する勾配線区に対応できる走行性能を検討し、広範囲に走行できる鉄道車両を実現する。
14日に同社本社で開かれた会見で、喜勢陽一社長は「1回の水素充てんで、ディーゼル車両と同等の約300㎞を走行できるようにすることが技術的な課題」としつつ、「水素社会の実現により、環境負荷低減を推進する」と述べた。
