国土交通省が地方自治体を対象に実施した建設業退職金共済(建退共)制度の履行確認に関する調査によると、発注した工事で元請けから電子申請方式の確認書類を受領したことがある団体は31%だった。前年度調査から5ポイント増えたものの、依然低い水準にある。直轄工事で4月から電子申請方式の活用を原則化したことも踏まえ、国交省は同方式の積極的な活用を促していく。
調査は2、3月に都道府県や政令市、特別区、人口10万人以上の市や各ブロック人口上位10団体の全421団体を対象に実施し、350団体から回答を得た。
建退共電子申請サイトの刷新に伴い、2025年10月から可能となった建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴との自動連携を知っている団体は36%だった。
一つの工事で元請けから電子申請方式と証紙貼付方式の両方の確認書類が提出されたことがあった団体は3%いた。国交省と厚生労働省は一部の下請けが電子申請方式に対応することが難しい場合などに、証紙貼付方式との併用を認める通知を25年1月に出している。
工事完成時の建退共の履行確認にCCUSの就業履歴を活用した団体は前年度から微増の9%にとどまった。活用していない団体にその理由を聞くと、「元請けがCCUSを利用していないことが多い」が過半を占めた。
官民で構成する「建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会」では建退共とCCUSの連携や、電子申請方式の積極的な利用の促進を今後の重点課題に位置付けている。
元請けに対し、工事契約時に証紙購入の確認書類を提出させていない団体は1%、完成時に履行確認の書類提示を求めていない団体は15%だった。前年度と比べ改善したものの、依然一部の市区を中心に確認が徹底されていなかった。
国交省は地方自治体に対し、契約時は掛金収納書、完成時は掛金充当実績総括表と工事別共済証紙受払簿を元請けに提出させ、証紙購入と貼付・消印を確認するよう求めている。
