公共工事で落札候補者の入札金額内訳書の労務費が適正かを確認する労務費ダンピング調査について、2026年度内に導入または導入予定の都道府県・政令市が約9割に上ることが、国土交通省の調査で分かった。改正入札契約適正化法に基づく入札金額内訳書の記載項目も、26年度内には全団体で対応が完了する。労務費の行き渡りにつなげる枠組みが広がりつつある。
25年12月に全面施行した改正法で公共工事の応札者は労務費を内訳明示した入札金額内訳書の提出、発注者は提出書類の確認措置を講じることが義務となった。落札候補者の入札金額内訳書の直接工事費が一定水準以上かを確認する労務費ダンピング調査は、発注者が労務費の適正性を調べる手法の一つとなる。
24日から始まった26年度上期ブロック監理課長等会議に先立ち、都道府県・政令市計67団体の導入状況を調べた。
施工体制確認型総合評価方式で導入済みだったのは14団体、導入を検討している団体のうち予定時期が26年度内は6団体、27年度以降は3団体だった。
同方式以外では導入済みが24団体、26年度内の導入予定は29団体、27年度以降の導入予定は9団体となった。いずれかの方式で26年度内に導入または導入予定の団体は全体の85%を占めた。
労務費ダンピング調査に関する公共発注者向けガイドラインでは、施工体制確認型総合評価を導入している場合は施工体制の確認により労務費ダンピング調査を実施したものと見なすとしている。
改正法で定めた入札金額内訳書の記載事項(材料費、労務費、法定福利費、建退共掛金、安全衛生経費)には56団体が対応済みで、残る11団体も26年度内の対応を予定していた。ただ、入札金額内訳書に記載の経費と官積算を比べて確認しているのは15団体にとどまった。
契約当事者間で労務費・賃金の支払いを約束するコミットメント条項の導入状況も調べた。本格導入済みは13団体、導入を検討中は46団体で、全体の約9割が導入に前向きだった。
採用済み、採用予定の条文については、下請け契約も条項導入を約束する「条文A」が15団体、下請け契約の導入は個別判断とする「条文B」が15団体、工事ごとに選ぶ併用が12団体だった。
導入の課題には「適正な労務費の範囲や調査体制」(神戸市)、「情報提供があった場合の調査体制」(北九州市)、「導入後の活用・運用スキーム」(静岡市)などが挙がった。
