建設経済研究所と経済調査会は27日、2027年度の建設投資見通しを発表した。投資総額は、名目値が前年度見通しと比べ3.7%増の86兆3500億円、物価変動の影響を除いた実質値が1.1%増の61兆4566億円と推計した。政府分野は、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく施策の推進により、高水準で事業規模が確保されると予想した。民間住宅分野は、省エネ基準適合義務化に伴う25年度の反動減からの回復が一巡するものの、民間非住宅分野では土木で堅調な推移を想定し、投資額の増加を見込んでいる。
投資総額の名目値はピーク時である1992年度の84兆円を超えた。ただ、92年度の数値には民間建築補修の投資額を含んでおらず、その投資額を除いて比較した場合、92年度の8割程度にとどまる。
分野別の内訳を見ると、名目値は政府建設投資(建築補修を含む)が2.6%増の28兆8400億円、民間住宅投資が1.7%増の17兆4200億円、民間非住宅建設投資が6.5%増の24兆1000億円、民間建築補修投資が3.9%増の15兆9900億円。
実質値は政府建設投資(同)が0.1%減の20兆4842億円、民間住宅投資が0.2%減の12兆6515億円、民間非住宅建設投資が3.8%増の17兆0679億円、民間建築補修投資が0.7%増の11兆2530億円と予測する。
政府建設投資から建築補修分を除いた政府分野投資は、実施中期計画の2年目を迎え、引き続き高水準で事業量が推移すると見込んでいる。前年度からの伸び率は、名目値が建設工事費の上昇から2.6%の微増、実質値が前年度と同水準と推測する。
民間住宅投資は、25年4月の駆け込み需要に伴う反動減からの回復が一巡するとみる。住宅着工戸数は、26年度見通しから0.5%減少した75万5800戸を見込む。
民間非住宅建設投資の名目値のうち、建築は7.7%増の12兆8100億円、土木は5.2%増の11兆2900億円。土木の伸び率は25年度見通しで20.2%を記録し、足元の受注高も好調なことから、26、27年度ともに増加するとみている。
民間非住宅建築の着工床面積は、0.1%増の3186万2000㎡と推測。用途別では、事務所が出社回帰や企業のオフィス拡張需要を背景に堅調に推移するとみて2.5%の増加を想定。工場は中東情勢を巡る先行きの不透明感が企業収益の下押し圧力となるが、設備意欲が底堅いことを踏まえ、1.6%の微増とした。
民間建築補修投資は、リフォームやリノベーションの需要の高止まりの維持を予想。堅調な投資が続くとみている。
