子どもの頃、公園の砂場を掘り進めたら大昔の街が出てこないかと本気で期待していたことがある◆当然ながら出なかったが、新しい遺跡は今も各地で見つかっている。最近では掘る前に、衛星画像を利用する「宇宙考古学」やレーザー計測で地形を3次元化する技術が密林や砂漠の下に眠る古代の営みの痕跡を見つけ出した◆考古学の講義では測量の演習があった。実際の調査でもドローン測量や点群、地中レーダーなど、建設業でおなじみの作業が並ぶ◆考古学の難しさは、対象を語る文献や図面が残っていないことにある。現代の建築も安泰ではない。設計者の廃業や死去で図面の散逸が懸念されている。点群データやBIMは、過去を探るためにも、未来を描くためにも生かされる。つくることと残すことは同じ仕事の裏表だ。
