国土交通省が都道府県・政令市を対象に実施した調査によると、調査、測量、設計などの委託業務で賃金や物価の変動分を契約金額に反映する業務スライドを導入していたのは4県だった。検討中も含めた割合は全体の約半数近くを占めた。地方自治体発注業務での適切な価格転嫁に向け、取り組みの広がりが期待されている。
建設コンサルタント業務などの価格転嫁を強化するため、国交省は2026年度に新規契約する直轄業務から業務スライドの試行を始めた。例年3月の設計技術委託等技術者単価の改定を基準に、業務の未着手部分の委託料に変動分を反映する。
調査によると、都道府県・政令市の計67団体のうち、山形県、埼玉県、鳥取県、大分県の4県が業務スライドを導入していた。また、19都府県と10市の計29団体で導入を検討していた。
大分県は25年10月から全ての委託業務で「賃金スライド制度」を導入。基準日時点で残りの業務期間が2カ月以上あり、単価変動前後の残契約金額の差額が変動前残契約金額の1000分の10を超えていることなどを要件としている。
また、価格転嫁に関連して、事前に工種や材料ごとの単価を定め、実際の施工数量を乗じて支払金額を決める「単価契約」について、都道府県発注工事での実施状況も調べた。
単価契約をしていたのは11団体で、このうち資材高騰などに応じて契約単価を変更していたのは9団体だった。京都府は小修繕工事請負契約書、和歌山県は単価契約書で単価変更を請求できる規定を定めていた。
国交省は資材価格や労務費の急激な変動により、単価契約でも当初設定した単価と実態とが乖離(かいり)し、適正な施工や事業継続に影響を及ぼす恐れがあるとし、適切な対応が必要としている。
調査は7、8月に全国8ブロックで実施した26年度上期ブロック監理課長等会議に先立ち実施した。国交省と各都道府県との申し合わせでは、公共工事の円滑な施工を確保するため、最新の実勢価格を反映した単価設定やスライド状況の適切な運用に取り組む方針を共有した。
