神奈川県鎌倉市は、物価高騰の影響で市単独での整備を断念した新庁舎整備事業について、民間活力の導入を前提とした事業手法の再検討に乗り出す。24日、「鎌倉市新庁舎等整備手法検討支援業務委託」の公募型プロポーザルを公告した。参加申込書と企画提案書は9月11日まで受け付け、15日のプレゼンテーション審査を経て、下旬に優先交渉権者を特定する。財政負担の低減と地域活性化を両立する最適な手法を見いだす。
市は、17日に開いた新庁舎等整備手法検討会議(委員長・川村雄介グローカル政策研究所代表理事兼日本証券経済研究所研究顧問)の初会合で、▽市民にとっての価値▽都市拠点の価値、まちの魅力向上▽防災・災害対応▽公共親和性▽民間事業者にとってのメリット(事業性・採算性)--の五つの評価軸に基づき、整備手法を評価していく考えを明らかにしていた。
新庁舎建設を巡っては当初、2032年開業予定のJR東海道本線(仮称)村岡新駅に近い深沢地域の寺分字陣出8-8の敷地約2万2300㎡に移転整備する方針だったが、位置条例案が議会で否決されるなど、市役所移転の賛同が得られず、公募型プロポーザルで選んだ日建設計に委託した基本設計業務を25年7月に一時停止していた。
その後、深沢地区での新庁舎建設と現在地の庁舎建て替えの「両輪体制」とする方針を同年12月に決定。26年度予算に新庁舎の基本設計と基本設計・事業者選定支援業務の委託費を計上し、停止していた両業務の再契約手続きに入るとしていた。しかし、物価高騰の影響で公設公営での新庁舎建設費が当初より倍増することが判明し、他事業との兼ね合いも含めて、計画を断念。民間活力導入による整備に方針を転換した。
今回の業務では、導入機能の検討、事業手法の比較・評価、民間事業者ヒアリング、事例収集、事業手法の総合評価、新庁舎等整備手法検討会議の運営支援を委託する。
事業費限度額は1580万7000円(税込み)。履行期間は27年3月31日まで。
計画規模は「両輪体制」の方針を維持する。深沢地区に計画する新庁舎の規模は5階建て延べ約2万4300㎡とし、免震構造を採用する。概算整備費は約170億円。33年3月前後の開庁を予定する。既存庁舎は地下1階地上2階建て延べ約1万3160㎡。概算整備費は約140億円を見込み、新庁舎完成後の工事着手を目指す。
