27日に石川、富山両県を襲った記録的豪雨でも、地域建設業の災害対応に関する“事前準備”が際立った。石川県小松市に本社を置く吉光組では、行政機関から出動要請を受ける前に、自主的に土のうづくりを開始。2024年の能登半島地震、奥能登豪雨に続いて、自然の猛威にさらされた中、業界全体の不変の使命感が地域住民の安全・安心を支えている。
同日明け方に発生した複数の線状降水帯で、両県各地は観測史上1位の大雨に見舞われ、防災情報の中で最も高いレベル5の大雨特別警報が発表された。
過去の経験から異常降雨の気配を察知した吉光組の社員は、上司の指示を待つことなく社屋に集結。夜明けとともに小型土のうの製作に着手し、行政機関からの要請に備えた。吉光成寛副社長は「今回のような有事には、若手・ベテラン、建築・土木部門を問わず、社員一丸で対応している」と明かす。
遠隔バックホーと自動運転運搬車の併用、ICTストックヤードの運用、オンライン診療システムの導入をはじめ、積極的に生産性向上に取り組む同社では、土のうづくりも先進的だ。
具体的には、16個の小型土のうが同時製作できる枠を使用した。仕組みとしては、その枠に土のう袋16枚をセットした上で、バックホーで砂を一気に投入する。トンボで砂をならし、枠を外して袋を閉じると完成する。
当日は、午前中までに必要な準備作業を終えて、待機していたという。
吉光副社長は「道路や建物などの社会インフラをつくり、維持管理するだけでなく、発災時の地域防災活動に貢献することも建設業の大切な役割の一つだ」と強調し、地域の守り手として災害対応のほか、被害抑制にも奔走する業界の責務を代弁する。
