【多様な働き方で選ばれる業界に/発注、管理でAIフル活用】
国土交通省の官房技術審議官に8月7日付で就任した松本健氏は1日、日刊建設通信新聞社などのインタビューに応じた。発注行政を担う立場として、これまでの週休2日に加え、地域や現場の特性を踏まえた多様な働き方の実現を目指す。インフラDX(デジタルトランスフォーメーション)に代表される生産性向上策との両立を図り、「若い世代をはじめ多様な人材に選ばれる魅力ある建設産業になるよう取り組む」と決意を示した。
熊本地震や千葉豪雨など就任前後に発生した自然災害に触れ、「災害に強い国づくりや国民の安全・安心の確保にしっかり取り組む必要性を改めて認識した」。その上で「防災・減災、国土強靱化に必要な公共事業予算の確保と、担い手である建設産業が活躍できる環境づくりに積極的に取り組む」と意気込む。
直轄土木工事では週休2日が定着し、2026年度からは地域や現場に応じた柔軟な働き方を目指すフェーズに移行した。「これまでは週休2日の定着に重点を置いてきたが、今後はその成果を基礎として多様な働き方の実現を支援していく」と強調する。猛暑期間・時間の作業回避やデジタル活用による効率化など「(働き方の)選択肢を広げていく」考えを示す。
働き方改革の両輪となる生産性向上については、「インフラDXやi-Construction2.0を力強く進める」と言い切る。直轄工事で先導的な施策を展開することに加え、地域建設業や中小規模工事でのICT活用やデータ連携の普及に注力する。知識の習得や人材育成を後押しすることで「全国各地に生産性向上への取り組みを広げたい」と展望する。
目覚ましい発展を遂げているAI(人工知能)に関しては「インフラ分野でフル活用することが重要だ」と断言する。「発注者、管理者の二つの立場からAIを活用したい。わが国の強みとなる現場データを生かし、官民で連携しながら進めたい」と前を向く。
27年度予算の概算要求で国交省は前年度当初比1.45倍の公共事業関係費を要求した。年末の予算編成に向けては「資材価格や労務費の上昇も踏まえ、公共事業予算をしっかり確保する。予算額も重要だが、事業量の確保という観点でも取り組む」と意欲を見せる。
円滑な予算執行への対応にも力を注ぐ方針だ。「計画的な執行に向けては事業のマネジメントが重要となるため、各事業で必要な準備を進めていく。受発注者でコミュニケーションを取りながら連携していきたい」と説明する。
建設産業に対しては「インフラ整備・管理や災害対応を担う地域の守り手としての役割を将来にわたり果たしてもらうことが不可欠だ」と期待を寄せ、選ばれる業界となるための施策を推し進める。
