【港湾工事の需要増/全国拡大を視野に】
オリエンタル白石グループの山木工業(福島県いわき市、片桐剛寿社長)は5日、新型起重機船「あかつき」(300t吊り全旋回式起重機船)の竣工を記念したお披露目会をいわき市の小名浜港で開いた。近年増大するいわき市周辺の港湾工事の増加や同港カーボンニュートラル計画への対応を見据えて、約30年ぶりに作業船を建造した。これを機に、同港だけでなく全国の港湾整備事業での活用・拡大も視野に入れる。
あかつきは、クレーンを装備した作業船で、9月下旬からの稼働を予定している。同港を中心に橋梁やケーソンなど港湾構造物の据え付けや沈船・座礁船の引き揚げ、漁礁の設置、パイプライン敷設を担う。
船体は全長65m、全幅24m、型深4m、総t数1447t。全周型クレーン「SKK300t吊り」や波や潮位の影響を受けずに定位置を固定する「スパッド装置」、船舶の向きを変えるための補助推進機「スラスター装置」を搭載しており、揚錨作業を効率化する。
環境面にも配慮した。内燃機関の燃料をA重油から軽油に変更することで、CO2排出量を3.4%削減できるとしている。同時に窒素酸化物(NOx)の抑制も実現する。また、発電機2台の自動並列運用やトンネル型船底の採用で燃費効率も改善した。太陽光発電用ソーラーパネルや蓄電システムも搭載しており、日中の余剰電力を停泊時の夜間電力に活用する。
このほか、3Dソナーを起工測量や出来形管理に活用するほか、位置誘導システムと連動して効率的な施工管理につなげていく。
山木工業の片寄伯恒工事本部船舶重機工事部長は、同市内周辺で増えている防波堤の延伸工事など大型の港湾工事に加え、「今後は小名浜港以外での港湾工事を積極的に担っていきたい。あかつきは、年間3分の1程度の稼働を視野に入れている」と事業拡大に意欲を示す。現在稼働している船団と合わせて2船団体制で、全国の防災・減災関連の事業に力を入れて国土強靱化対策に貢献していく考えだ。
