【戦略的インフラマネジを推進/省全体の政策を強化】
国土交通省の楠田幹人総合政策局長は4日、日刊建設通信新聞社などのインタビューに応じ、インフラ老朽化対策について「メンテナンスも含めた戦略的なマネジメントへの取り組みを進めていきたい」と語った。インフラの劣化状況の見える化や対策のメリハリ、インフラマネジメントを担う建設業の発展も視野に入れながら、政策の具体化に意欲を示した。
8月7日付で就任した。国土交通行政の総合調整を担う立場として、「各局の取り組みをサポートしながら省全体の政策を強化し、分かりやすく発信していきたい」と抱負を語る。
インフラ老朽化対策については、新技術の活用や地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進などを挙げながら、「これまでのメンテナンスから、インフラ全体のマネジメントをより強調して進めたい」との考えを示す。埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて対策を強化する改正下水道法が今特別国会で成立したが、「(老朽化対策は)下水道だけでなく、インフラ全体に及ぶ話だ」と強調。社会資本整備審議会・交通政策審議会の下に設置した小委員会での議論を踏まえ、インフラマネジメントに向けた具体施策を詰めていく方針で、建設業を含む産業の発展も念頭に入れながら、「総合的に進めるための仕組みを検討し、対策につなげていきたい」と語る。
インフラ空間を活用して生み出したエネルギーを交通分野などに使い、エネルギーの自律性を高める「モビリティ・エネリンク構想」については、「中東情勢もあり、エネルギーの自律性確保は経済安全保障の観点からも重要になっている。これらに対する投資で関連分野もより強化、成長できるのではないか」と見通す。エネルギーの供給側と需要側の双方に目を配りつつ、11月にも固まる基本方針に基づき構想の具体化を目指す考えで、「(エネルギーを)『つくる』『つなぐ』『つかう』ための取り組みを進めていきたい」と意気込む。
高市早苗政権が重視する危機管理投資・成長投資に触れ、「これまでは民間任せで産業政策不在のような時期もあったが、官が積極的に関与して民間の投資を引き出し、成長につなげる流れがより鮮明になっている」とし、省全体でも今後の大きなテーマになると受け止める。民間投資の誘発に向けては、「投資が利益につながることが見えなければならない。政策についても先が見える形にすることで民間の投資判断に役立つ」と説明する。
2040年度までに370兆円超を目指す戦略17分野の官民投資も踏まえ、「建設業は地域の守り手に加え、これらの大きな投資の実現に向けてもその役割が期待されている」と指摘する。その上で「担い手確保だけでなく、受発注者で協力して生産性を上げていきたい」と展望する。
