【利益重視へ成長投資加速/専門性特化と周辺領域を強化】
仮設鋼材リース国内トップクラスのジェコス。中期経営計画の初年度となった2026年3月期は、首都圏の大規模再開発が追い風となり、過去最高益を達成した。利益重視の経営や周辺事業の強化、人材への投資など、今後の成長戦略について野房喜幸社長に聞いた。
--前期業績の総括は
「首都圏の大規模再開発が材料と工事の両輪をけん引し、過去最高益となった。売上追求から、リソースに合わせた『利益重視』へとかじを切った受注を徹底した成果だ。社会的なコスト転嫁の流れもあり、中期経営計画初年度のスタートとしては、正直なところ“できすぎ”な結果となった」
--今期の見通しは
「われわれは大規模再開発の初期段階に当たる地下工事を担っている。ビルが地上へ伸びると仕事は薄くなるため、足元は微減だ。ただ、都内では28年後半から築地や六本木などの超大型開発が控えており、現中計の3年だけでなく、次の3年も堅調な事業環境で推移するとみている」
--財務戦略について
「これまで安定利益を財務改善に使い、ほぼ無借金の経営を進めてきた。だが、成長投資が不足し、利益成長を阻んでいた。これからは『無借金イコール善ではない』とし、レバレッジも利かせて成長投資に資金を回す。資本効率をさらに高め、ROE(自己資本利益率)10%を一つの目標にしたい」
--注力する投資分野は
「専門性の特化と周辺領域の強化だ。山岳部での特殊工事に強いオトワコーエイの買収や、シンガポール同業の子会社化を進めた。将来を見据え、地盤改良や障害撤去などの周辺事業を強化し、一貫して任されるトータルサービス体制を築いていく」
--京浜臨海部の開発は
「横浜市のみなとみらい21地区が終盤を迎え、扇島などの京浜臨海部の再開発を重視していく。JFEスチールグループとして超長期の需要を確実に受注するため、昨年から横浜の拠点に営業の専従担当を置き、注力している」
--担い手不足にどう先手を打つか
「協力会社の高齢化や承継難は極めて深刻で、必要な施策を打っていきたい。状況により直接施工も視野に入れる。全国にある工場の自動化投資はちゅうちょなく行う。自社採用は苦戦しており、高卒・高専も『金のわらじ』を履いて探す状態だ。また、若い世代の地元志向が非常に強く、地域限定職が人気だ。中途や外国籍の採用も強化して総合力を高めたい。業務改革推進部を中心に、生産性を3年で最低10%高め、生まれたリソースを成長分野へ回していく」
【横顔】
(のぶさ・よしゆき)月に1、2回「交楽通信」を執筆し、社員との距離を縮める。好きな曲はシカゴの『Saturday in the Park』。家族で嵐のファンでもある。
