東京都中央卸売市場は、経営計画の2期目に向け、中間まとめ案を策定した。厳しい経営環境下で、老朽化が進む施設に対処する必要性があることを記した。管理コストの縮減など経営改善を図りつつ、新たな財源を確保するため、所有する資産のさらなる有効活用などに取り組む。具体的な施策として、大田市場の狭あい化解消に向けた施設整備の方向性検討、淀橋市場での施設複層化による効率的な市場運営、板橋市場における物流拠点機能の強化、閉鎖型施設の建設による低温施設整備の推進などを計画している。
高度経済成長期以降に多くの施設が整備されており、豊島、淀橋、足立、板橋、世田谷にある施設の一部は完成から50年以上経過している。今後は各施設の更新時期の集中が見込まれており、基幹的インフラとしての責務を果たすため、施設の長寿命化や維持更新の必要性に迫られている。
また、「物流の2024年問題」を契機とした輸送力不足、生産年齢人口の減少に伴う人手不足、複雑な商慣行や多様な取引実態によるデジタル技術導入・活用の遅れなどの課題もある。
中央卸売市場は、地方公営企業法の一部を適用し、独立採算の原則が定められている。営業損益は恒常的に赤字であり、経常損益も16年度以降赤字が続いている。さらに、物価、人件費、金利の上昇など社会情勢の影響により、管理コストは上昇傾向が続くなど、経営環境は一段と厳しさを増している。
このため、施策の方向性として▽市場全体の基幹的機能の強化▽市場における担い手確保と生産性向上▽市場取引の活性化に向けた取り組みの推進▽市場機能の確保と計画的な維持更新▽これからの卸売市場が果たすべき社会的使命▽強固で弾力的な財務基盤の確立--を掲げた。
都内には、中央卸売市場が11市場ある。卸売市場経由率や取扱数量は減少傾向にあるが、いまだ市場流通におけるシェアは高く、生鮮品など流通で重要な役割があるとしている。
現経営計画は22年3月に策定した。2期目は、27年3月に公表する予定。
