【国際市場の課題解決】
パシフィックコンサルタンツホールディングス(HD)で国際事業を担う中核会社として、パシフィックパデコインターナショナルが1日に発足した。グループが掲げる中期経営計画では、最終年度である2028年9月期の海外事業の売上高で150億円を目指す。「グループで長年培ってきた知見やネットワークを生かし、複雑化する国際市場の社会課題解決に貢献していく」と意気込む石河社長に今後の展開を聞いた。
--就任の抱負は
「国際事業の中核を担う会社として、グループ全体の成長をけん引していく。将来的には事業規模と収益の両面で、国内事業を手掛けるパシフィックコンサルタンツと肩を並べる会社へと発展させたい」
「国際市場のニーズは大きく変化している。気候変動など自然災害が頻発する中、求められているのはインフラ整備だけではない。人々の生命や暮らし、経済、サプライチェーンをどう守っていくかを含めた対応が必要だ。各国が抱える課題を総合的に捉え、インフラ技術と最新のテクノロジーを融合させた解決策を示し、課題解決の実現だけでなく、その後の維持管理まで長期的に関与していく」
--自身の経験を経営にどう生かすか
「専門は、港湾・海岸工学だ。パシフィックコンサルタンツで35年間、この分野を中心にエンジニアとして仕事をしてきた。海外事業部には籍を置いた経験はないが、携わってきた仕事は、海外とも密接に関係してきた。その経験などを生かす」
--事業展開と注力するエリアは
「国際協力機構(JICA)をはじめとする国際協力分野に加えて、現地政府や民間企業など顧客を広げていく。地域もアジアやアフリカだけでなく、ヨーロッパなどの先進国を含む新しいエリアにも挑戦していく」
「ヨーロッパでは、西欧よりもまずは東欧エリアを視野に入れている。東欧での鉄道事業は、まだ整備が進んでいない部分がある。現在もこのエリアで事業展開しており、そこから広がるネットワークを次の事業につなげたい。また、英国ではEU(欧州連合)離脱によりコンサルティング技術者が不足しているという話も聞く。情報を集めながら、事業機会を探っていく」
「現在拠点を持たない国では、M&A(企業の合併・買収)で現地企業をグループに迎え、現地法人化して経営していくことも選択肢の一つだ。現地に根差し、顧客や地域の課題を深く理解して長期的な視点で価値を提供していきたい」
--組織体制は
「組織再編を踏まえ、まずは組織として一つになることが不可欠だ。多様な人材が互いに理解を示し、それぞれの強みを発揮できる組織をつくりたい。個性や能力を持つ人材が噛み合った時、組織は大きな力を発揮する。対話を重ね、同じ方向に向かって力を結集できる環境を整えていく」
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(いしかわ・まさのり)1991年3月徳島大工学部卒後、同年4月パシフィックコンサルタンツ入社。2018年徳島大大学院先端技術科学教育部知的力学システム工学専攻博士後期課程修了。22年執行役員国土基盤事業本部長、24年常務執行役員インフラ整備事業担当、25年常務執行役員経営企画・マーケティング担当、25年12月取締役に就き、26年6月パデコ代表取締役兼社長執行役員を経て、10月から現職。三重県出身。67年11月28日生まれ、58歳。
◆記者の目
パシフィックコンサルタンツHDの大本修社長は、石河氏に対して「一番、期待している部分は突破力。非常に実行力がある」と期待を寄せる。パシフィックコンサルタンツの岡野郊子社長とは、同期入社。質問に対して丁寧に答える姿勢から人柄の良さを感じた。単身赴任のため、週末は家族が暮らす名古屋市へ。最近のマイブームは美術館と博物館巡り。
