道具は使えば手入れがいる。インフラも同じだが、使えて当たり前になるほど、守っていく大変さは意識されにくい◆スイッチ一つで明かりがともる。その日常を支える仕事は、暮らしのそばにあるとは限らない。黒部の地下を巡る観光ルートで、設備を守る人たちを垣間見た◆観光客を運ぶ列車は、現場の足でもある。小説にもなった隧道(ずいどう)で隣の車両を見ると、ツアー客ではない人が座っている。ヘルメットには、よく知る建設コンサルタントの社名が◆観光ルートは発電施設の維持管理に今も使われる。移動は、作業する人に合わせるというガイドの説明が心に残った。建設の苦闘に思いをはせ、異世界のような地下や観光も満喫。帰宅し明かりをつけた時、ふと道中で見かけたヘルメット姿が浮かぶ。そんな旅になれば良い。
