【会社の垣根をどう越える?/「分からない」に寄り添う】
自社、グループ会社、協力会社が一体となった「三位一体の経営」を掲げる東鉄工業。取り組みを強化しようと6月、グループ業務支援室が誕生した。トップに就いた岩淵英明氏は、人手不足や技能伝承といった課題に触れながら、「当社単独ではなく、サプライチェーン全体の競争力を高めることが重要だ」と力を込める。三位一体経営で核となる重要組織。15人ほどのスタッフと、どのような未来を描くのか岩淵英明氏に聞いた。
--就任の抱負を
「当社とグループ会社、協力会社の関係性は、その都度の単発仕事に割り切れるものではない。お互いが一緒に強くなる、強くなってこれからのインフラをともに支えていく関係性だ。東鉄工業と一緒に働きたいと思ってもらえるような、選ばれる会社であり続けたい」
「やること、やらなければならないことがたくさんある。私自身の体力がもつか分からないほどだ。課題に対応するため、室内にはさまざまな担当が存在する。例えば現場横断的な集中購買に取り組む人、協力会社の課題をヒアリングし、場合によっては財務分析から事業承継のサポートまで行うスタッフもいる。自社に目を向けると、土木・線路・建築で、システム連携が不足しているケースもあり、こうした課題解消も進めている。室員各自が『自分の分野から何ができるか』という意識で動く組織に育てていきたい」
--注力するのは
「現場の技術職員が、本来業務に集中できる環境をつくりたい。人手不足や高齢化が進む一方で、環境対応、安全・品質、情報のデジタル化など、現場職員が対応すべき新しい業務が増えている。建設キャリアアップシステムやグリーンサイトなど、さまざまなものがデジタル管理に変わる中、 協力会社の中には、『設定できない』『登録できない』と作業でつまずく人も出る。 ともすると、そうしたサポートを現場技術者が行っているケースもある。こうした仕事を一つひとつ●(●は剥の旧字)がし、事務系職員に移管する」
--具体的なスキームは
「現在、支店の枠を超えた事務系職員のネットワークの構築を進めている。取り組みは、当室前身の『業務改善推進部』時代から進めていたものだが、今回の組織改編でスピード感が上がった。現在は150人ほどの規模のネットワークが形になり始めた。将来的にはこの人たちが現場のバックオフィス業務やデジタルサポートに回れるようにしたい」
--組織運営で大切なことは
「グループ会社や協力会社への対応では『よく分からない』という声に寄り添うことだ。業務内容や会社の規模によって、課題への向き合い方や切迫感には違いがある。例えば、デジタル化を進めようと事務所を訪れ、パソコンが押し入れから出てくることもある。事業承継の問題については関心が高い一方、手続きなどは難解なことが少なくない。対策として室内に銀行出身者を入れている。一つひとつ丁寧に向き合っていきたい」
自社、グループ会社、協力会社が一体となった「三位一体の経営」を掲げる東鉄工業。取り組みを強化しようと6月、グループ業務支援室が誕生した。トップに就いた岩淵氏は、人手不足や技能伝承といった課題に触れながら、「当社単独ではなく、サプライチェーン全体の競争力を高めることが重要だ」と力を込める。三位一体経営で核となる重要組織。15人ほどのスタッフと、どのような未来を描くのか。
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(いわぶち・ひであき)1991年3月大原簿記学校専門課程卒後、同年4月東鉄工業入社。2013年7月八王子支店総務部長兼品質管理部長、16年3月経営企画本部経理部長、21年6月執行役員経営企画本部経理部長、22年6月執行役員業務改善推進本部業務改善推進部長などを経て、26年6月から現職。「三位一体経営」の重要ポジションだけに「ちょっとプレッシャーに押しつぶされそう」と笑みを浮かべ吐露する。68年4月4日生まれ、58歳。
