東亜道路工業と東京理科大学は27日、共同開発を進める貼り付け型の非接触給電舗装技術の実証現場(東京都江東区・海の森水上競技場)を公開した=写真。給電舗装は路盤の中に機器を埋め込む手法が一般的で、路面表面に給電装置を貼り付けるタイプは世界初の試みだという。
「車は道路を走りに行けば勝手に充電される時代が多分、来ると思う」。見学者を前に、東京理科大の居村岳広教授は力を込めた。
現場足元の路面には、厚さ約6mmの青いマーク状が直線上に等間隔で並ぶ。いずれも給電装置。「走らせます」と合図し、奥に控えていたカートが走り出す。車体モニターの表示は「0」ワットから、給電装置を通過するたび、数字が一気に跳ね上がった。
供給電力は7.7kWを目標に設定。2025年末に舗装工事を終え、今年1月からデータの計測を重ねている。
昨今はスマートフォンなど、プラグを差さずに充電する非接触給電が普及しつつあるが、課題も残る。一つが電力ロスだ。実証では定期的に伝送効率を計測し、95%以上を確認した。機器を路盤下に埋め込むタイプよりも高い数値だった。一方で、路面温度が上がる夏場では効率が約5ポイント低下した。手動運転よりも位置合わせの精度が高い自動運転の方が給電効率が高くなることも分かった。
社会実装に向けては法制度の壁もある。非接触給電舗装では、米国自動車技術会のSAE規格が国際標準となっている。出力電力量によって乗用車向けワイヤレス電力伝送のWPT1(3.7kW)からトラック向けの同4(20kW)まで4段階に分かれる。
日本の場合、屋外環境で機器から出る磁界強度を規制する電波法があり、現行法での出力上限はおおむねWPT2レベルにとどまる。現在、規制緩和に向けた議論が関連業界の間で始まっている。
居村教授は「社会実装には世論や行政側の理解が大切だ。広く知ってもらう一歩になれば」と話した。
実証は東京都の「東京ベイeSGプロジェクト」の一環で実施している。終了は26年度末で、終了時には東京都へ報告書を提出する。
