歴史資料館と旧渋沢邸が完成/4月から一体運用を開始/清水建設「温故創新の森 NOVARE」内 | 建設通信新聞Digital

5月15日 水曜日

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歴史資料館と旧渋沢邸が完成/4月から一体運用を開始/清水建設「温故創新の森 NOVARE」内

清水建設が手掛けた代表的な 作品を緻密な模型で再現した
旧渋沢邸
 清水建設がイノベーションと人財育成の拠点として整備を進めてきた「温故創新の森 NOVARE」内に、「NOVARE Archives(清水建設歴史資料館)」と「旧渋沢邸」が完成した。4月から順次、社内研修や来館者向けの見学施設として活用する。2023年9月から稼働している交流施設と研究施設、研修施設と合わせて全5棟が完成し、施設全体の一体運用がスタートする。
 運用開始前の5日、東京都江東区の現地で報道陣に施設を公開した。井上和幸社長は「(運用を開始する)両施設はものづくりの原点に立ち返り、進取の精神を育む場として創設されたNOVAREにおいて、“温故創新”の基礎の役割を担う。5棟の施設群それぞれが個別最適を求めつつ、融合・補完し合い、レジリエント、インクルーシブ、そしてサステナブルな社会の実現を目指すとともに、50年先、100年先を見据えた当社と社会の発展に貢献できる人財を育成してきたい」とあいさつした。
 NOVARE Archivesは初代清水喜助が1804年に神田鍛冶町で創業した時代から受け継いできたさまざまな歴史的資料や清水建設が手掛けた建築作品の模型などを展示している。「挑戦のシミズ」をコンセプトとして、社会の発展とともに歩んだ日本近代建設業の挑戦の歴史を学び受け継ぐ場、新たな価値を創造する人財育成の場として位置付けている。
 旧渋沢邸は明治期に清水建設の相談役を務めた渋沢栄一とその子、孫、ひ孫が4代にわたって暮らした住宅。二代清水喜助が設計施工を手掛け、78年に完成した木造建築を母屋とし、その後洋館などの増築を経て現在の姿に至っている。当初は深川福住町(現在の江東区永代)に建設されたが2度の移築を経て、1991年から青森県六戸町で保存されていた建物を清水建設が譲り受け、再移築した。