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    ホーム > 能登災害で活躍する新技術(1)

官民の知見を生活再建に結集

 2024年1月1日に石川県能登地方を襲った「令和6年能登半島地震」から2年が経過した。しかし、被災地再建に向けた実質的な起点は、震災の9カ月後に発生した同年9月の「令和6年奥能登豪雨」となる。未曾有の複合災害でインフラ施設は甚大な被害を受けたが、25年末までに直轄権限代行、直轄施工の緊急・応急復旧は概ね完了、本復旧へと移行している。異例とも言える対応速度の裏には受発注者の懸命な活動と新技術の存在がある。

 

建設事業の“進化”目の当たり

◆近未来感が将来の希望に

 国土交通省北陸地方整備局能登復興事務所長の杉本敦氏は初代所長として、能登半島地震と奥能登豪雨による爪痕を目の当たりにしてきた。発注者とともに、被災地の最前線に立ち続ける地質、測量業者、建設コンサルタント、建設業者などが「厳しい環境下にもかかわらず、『被災地のために』との使命感を持って対応している」ことに謝意を示す。一方で、さまざまな新技術が復旧作業の安全性と迅速性を支えている。杉本所長に被災地の現状と新技術の効果などを聞いた。

 

--震災、豪雨からの復旧状況は

国土交通省北陸地方整備局能登復興事務所長
杉本敦氏

 「能登半島地震から2年が経過した中で、2025年内に緊急・応急復旧にめどがついた。『ようやく』と思われるかもしれないが、その間に発生した奥能登豪雨で(震災復旧で積み上げたものが)ゼロもしくはマイナスになった。被災者と同様に、建設産業の失意も大きかった。そこから気持ちを奮い立たせ、復旧作業を再開したことを考えると、これまでの歩みは決して遅くないとみている」
 「既に本復旧工事が本格化している。それを象徴する取り組みとして、大規模な地すべりで現道が利用できなくなっている国道249号千枚田工区(石川県輪島市野田町~名舟町)の別線整備の開始を意味する中心杭を、25年11月に設置した。約53㎞にわたる国道249号沿岸部の権限代行区間については、29年春ごろの本復旧完了を目指しており、着実に事業を推進していく。また、塚田川を皮切りに、被災した全ての河川・砂防の本復旧工事に着手している」

 

 

 

--新技術を積極的に導入している

 「安全を最優先しつつ、品質を確保することが大前提であり、この受発注者共通の目的を達成するための手段の一つが新技術となっている。受注者の提案に対して門戸を閉ざさないように、われわれ(発注者)としてはまずは耳を傾けたい。コストだけでなく、工期や施工効率などを踏まえて総合的に判断していく」
 「現在は被災現場の条件をしっかりと見極めながら、それぞれに適した新技術が導入されている。今回の災害を契機とした新規開発もあるが、既存開発のものが大半を占める。受注者側の経験知に基づく技術開発力の高さを実感している。(被災地での)現場実装を通じて、さらに応用、発展させられるのではないかと考えている」

 

--具体的な効果は

 「複雑な形状の構造物を造形する3Dプリンターや超長距離対応の建機遠隔操縦などに加え、悪路をものともせずに啓開する多脚式走行システム(4輪操舵)のバックホーは、安全性や生産性、省人化などで目を見張るものがあった。一技術者としてこれらを間近にし、近未来感に対する驚きとワクワクを感じた」
 「遠隔操縦が可能な無人ドローンポートにも同様の印象を持った。発災時には事前に設定したルートを自動飛行し、映像や3次元、サーモグラフィーデータなどを取得するとともに、差分解析する。これまでのような『情報がない中で手探り状態』ではなく、『情報に基づいて現状を把握』した上で被災地支援に向かうことができる。また、同一の情報を施設管理者間で共有することは、災害対応体制の強化に直結する。石川県や市町とドローンポートをシェアする仕組みを検討している」
 「建機の遠隔操縦は、オペレーターが居住地にいながらにして、能登地域の復旧・復興を支援できる。言い換えれば、地元と被災地の両方の安心・安全を支えられる。働きやすい職場環境と地域の守り手としての役割を両立しつつ、自然災害の多発・激甚化を背景とした防災・減災、国土強靱化に貢献していくことにつながる」

 

--能登災害の復旧・復興に対する注目度は高い

 「受発注者ともに高い使命感を持って取り組んでいる。新技術の積極的な活用もその表れだろう。発注者としては、受注者の提案をもとにより多くのメニューを把握し、事業のフェーズ、現場条件に適したものを受発注者間で協議して適用していく。また、こうした進化をより多くの人に理解してもらえるような取り組みにも力を入れたい」
 「SNS(交流サイト)などを通じて、今何をしているのか、どういう段階なのかを適宜発信している。ある現場では、工事完了後に工事関係者が現場から離れることを、地域住民の方々がさびしがっていたと聞いている。こうした思いは受注者のやりがいに直結する。今後も作業内容、目的がしっかりと伝わるように心掛けていきたい」

 

 

 

オフグリッド型ドローンポートを活用した遠隔自動操作による斜面監視

◆被災地の斜面監視を無人化・自動化

八千代エンジニヤリング技術管理本部デジタルビジネス推進部イノベーション推進課リーダー
宮本冬馬氏

 当社は、SORABOTの協力の下、「オフグリッド型ドローンポートを活用した遠隔自動操作による斜面監視」の実証実験を輪島地区地すべり災害区域内の地すべり調査業務で行った。
 被災地や山間部の施工現場における日々の斜面監視は、有人巡視やドローンで撮影した写真の目視比較が一般的だが、現地作業のため二次災害の危険性や多大な労力が伴うだけでなく、落石発生位置や移動距離、土砂移動量の定量的な把握が困難だった。
 そのため本実験では、復旧工事の現場に遠隔自動運航が可能なドローンポートを設置し、日々の航空写真、平面画像(オルソ画像)、3次元データを自動で取得した。
 ドローンポートは、ソーラーパネルとポータブルバッテリー、衛星通信を組み合わせ、公共インフラ未整備の地域でも稼働可能な「オフグリッド型」とした。解析では、前日と当日のオルソ画像をAIで自動比較して変位箇所を抽出するとともに、点群データの差分解析を行うことで、地形や植生の変化、倒木や崩落した土砂の距離や体積を定量的に把握できる。
 結果として、工事の朝礼前に客観的なリスク評価と具体的なアクションプランの提案が可能となった。また、遠隔操作による安全性の確保と、移動時間削減による業務効率化の両立を実現した。
 今後は本実験で確立したワークフローの完全自動化を目指し、リスク評価の精度をより一層高めたい。

 


▽適用箇所=輪島地区地すべり災害区域内
▽活用企業=八千代エンジニヤリング
▽開発企業=八千代エンジニヤリング、SORABOT

 
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