安藤ハザマは、東海北陸自動車道(4車線化)椿原トンネル工事(発注者=NEXCO中日本)でNTTが提唱する次世代情報通信基盤IOWN(アイオン)を使った坑内での大容量高速データ通信の実証実験を開始した。閉鎖空間で粉じんや湿気、振動など通信機器にとって過酷な条件がそろう山岳トンネル坑内の現場環境で通信の実効性や運用上の課題を明確化する。得られる定量データと運用知見を基に、山岳トンネル向けの通信技術要件や評価基準、標準的な導入ガイドラインの整備を目指す。
人手不足と熟練者の高齢化への対応や、災害リスクが高い切り羽近傍での作業の低減を目的に、山岳トンネル施工の遠隔管理が求められている。一方、従来の現場ネットワークでは、遠隔管理における現場技術者の施工判断に必要不可欠な高精細の映像や大量の点群データをリアルタイムで安定的に伝送することが難しいことが課題となっていた。
今回、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)に接続する坑内専用ネットワークを、実運用を想定した通信負荷をかけて評価する。複数箇所の同時遠隔監視や点群データの即時分析、高精細映像による遠隔臨場などを想定した情報基盤と通信ネットワークの確立を目指す。
坑内に大容量高速通信ネットワーク(光ファイバー、スイッチ、ルーターなど)を構築し、8K解像度360度カメラやレーザースキャナー、ダミーデータ発生装置などで実運用に近い通信負荷を再現する。
山岳トンネル延長1500メートル区間と、同トンネルから約1000キロ離れた遠隔拠点間の遅延再現や、複数カメラを同時接続した場合の高負荷試験を行い、通信帯域や通信遅延、ジッタ(通信タイミングのずれや揺らぎ)、パケットロス、エラー率などの情報通信基盤に関する技術要件を定量的に計測する。
実験の総括管理は安藤ハザマが担い、NTTと1Finityの協力を得て進める。実証された通信技術とノウハウを、土木・建築工事全般への水平展開を目指す。

