広島県は、「県立安芸津病院耐震化の基本計画(案)」を県議会の生活福祉保健委員会で説明した。既存の新棟を活用する案を検討した結果、概算事業費が抑制できるとの判断から、約56億円とする見直し案を示し、基本・実施設計の段階で詳細な金額を積算するとしている。発注方式については従来方式を採用する。今後は耐震化対応検討会議で同(案)に対する各委員からの意見を聴取し、2025年度内に基本計画をまとめる。
基本構想策定時には、病床規模が同程度の病院面積、建築費を参考に概算事業費を約38億円と想定していたが、関係者との調整による必要な諸室面積の精査、建築費などの状況変化を踏まえた精緻化を行い、約65億円を見込んでいた。既存新棟活用による新築面積の縮小により約56億円に抑制できるとしているが、着工時の建築費高騰リスクを考慮し、最大で約65億円を想定している。
同病院は、東広島市安芸津町三津4388の敷地6929㎡に、RC造5階建て延べ4651㎡の旧棟、SRC造6階建て延べ6908㎡の新棟で構成している。病床数は98床。
耐震化計画では、将来の患者推計や病床過剰地域であることなどを勘案し、持続可能性を考慮した結果、病床数を60床にダウンサイジングする。新築施設の規模は延べ約5000㎡を想定し、既存新棟の一部(約700㎡)を改修し、診療機能との関連性が低い事務室などとして活用する。
スケジュールについては、25年度内に基本計画をまとめ、順調なら設計者選定の手続きも進める。26年度で基本・実施設計をまとめ、27年度着工、28年度末完成、29年度開院を目指す。