技能体験会は同社調達部と東京竹和会の若手経営者で組織する東京竹和会ユースが運営しており、鉄筋、型枠大工、左官、タイル、塗装、内装、電気設備、造作・住設の各職種を体験できる。今回は31日から2月2日までの3日間にわたり実施し、同校のほか埼玉県立大宮工業高校、東京都立蔵前工業高校の建築科の1年生計150人が参加する。
初日の体験会では生徒が8班に分かれて25分ずつ各ブースを回り、悪戦苦闘しながらも普段の授業では体験できない建築現場の実作業を行った。フローリングの施工を体験した女子生徒は「普段歩いているフローリングについてあまりわかっていなかったが、いい経験になった」と感想を語った。また、左官と電気工事に取り組んだ男子生徒は「新しいことが学べて良かった。コツをつかむと楽しくできた」と振り返った。
各ブースでは東京竹和会の専門工事会社の担当者が丁寧に指導する。左官工事のブースで指導した村井業務店入社2年目の高宮希羽子さんは、自身も高校在学時に経験した現場見学会をきっかけに入職しており、生徒たちについて「コツをつかむのが早い。ぜひ業界に来てほしい」と期待を寄せる。
今回からは新たにCADを使った金属製品の設計体験も盛り込んだ。建築での金属工事の概要や施工例などについて説明を受けた生徒たちは、AutoCADでの線の引き方を学び、箱の製作図の設計に挑戦した。
東京竹和会ユース委員長の栗原教史栗原工業代表取締役は「生徒一人ひとりが手を動かして経験することで仕事へのイメージが湧き、各職種の魅力を伝えることができる。就職先を決める際の手助けにもなる」と開催の意義を強調する。
2016年の初回の技能体験会に参加した生徒はこの3月に卒業を控えており、そのうち7人が竹和会の会員会社や竹中工務店傍系会社への就職が決まっている。栗原代表取締役は「予想以上に効果があった。(学校と)密接な関係がうまく築けており各社の採用活動の一助となっている」と手応えを語る。