農水大臣賞の「無機質から有機質へ」は、CLTの木肌のあらわしと2時間耐火を両立するため、木材由来のセルロース保水材を使用した部材システムを構築し、有機素材による耐火・遮音・断熱・施工の問題解決を図った。
国交大臣賞の「RCLT構造の集合住宅」は、RCとCLTをハイブリッド化し、防耐火性能を確保。多くの部材は工場生産とし、熟練工が減少する現代でも高精度の施工品質を実現する。
環境大臣賞の「呼吸するマンション」は、2枚の壁と2枚のスラブで各住戸を区切ることで室内すべてをCLT仕上げにする。壁・スラブの隙間に風を通したり、蓄熱することで、建物自体が呼吸する住まい心地の良さを実現した。
入賞作と受賞者は次のとおり(敬称略)。
〈農林水産大臣賞〉
無機質から有機質へ=梅野圭介、花井厚周、飯田智裕、田口裕子、島田潤(CLTEC=竹中工務店東京本店設計部)。
〈国土交通大臣賞〉
RCLT構造の集合住宅=豊田郁美、渋谷篤、阿久津勝(日建ハウジングシステムlid研究所)。
〈環境大臣賞〉
呼吸するマンション=古山明義、小森真一、松本究(日建ハウジングシステムlid研究所)。
〈CLT協会賞〉
▽ミニマルスケルトン+CLT=齋藤宏一、広瀬景一、貞広修、田中初太郎、南口真一、南博之、山下美帆、和田真美、高橋啓、田中広夢、斎藤直樹、野村義明、寺島美土里(清水建設設計本部)
▽CLTの森に棲む 都市の住まいにもっと木の楽しさを=関山泰忠、松尾浩樹、清水悟、土谷睦、牟田万里奈、出口亮、島村高平、梅森浩、坂口裕美、川崎賢哉、買手正浩、野島遼子、山崎信宏、田澤孝祐、丹下幸太(大成建設設計本部現代木造ワーキンググループ)
▽まちの小径(こみち)=川原村真幸、藤原健太、林晃士(RWF=竹中工務店大阪本店設計7部門)
▽グランドウッド品川=貞弘雅晴、山中昌之、榎本浩之、田村純太朗(大林組中高層木造チーム)。