日本建築士事務所協会連合会（佐々木宏幸会長）は、2018年度日事連建築賞の受賞作品を発表した。国土交通大臣賞は、一般建築部門の「多治見市火葬場　華立やすらぎの杜」を設計した久米・日比野設計共同体（単位会・東京会）、日事連会長賞には小規模建築部門の「祈りの家　天心聖教函館礼拝堂」を設計した竹中工務店北海道1級建築士事務所（同・北海道会）が選ばれた。表彰式は10月5日に東京都千代田区の帝国ホテルで開く第42回建築士事務所全国大会で行う。
　34回目となる今回は152点（一般建築部門63点、小規模建築部門89点）の応募があった。1次審査で49点（一般22点、小規模27点）に絞り込み、2次審査で国土交通大臣賞1点、日事連会長賞1点、優秀賞6点（一般・小規模各3点）、奨励賞10点（一般・小規模各5点）を選定した。

　「多治見市火葬場　華立やすらぎの杜」は、国道から目立たないように掘り込まれた敷地に、1枚の美しい大屋根を覆い、静かな隔離された別れの場を創出。煙突を隠しつつ、里山の敷地周辺に対して新たな風景をつくり上げようとした設計の精神が、隅々に至るまで一貫して観るものに伝わってくる作品と評した。
　「祈りの家　天心聖教函館礼拝堂」は、北海道函館市内の住宅街にたたずむ礼拝堂。不整形の敷地を整然と使いこなし、アプローチ、駐車場、近隣住宅との境界の植栽スペースを幾何学的な構成で切り分け、気品ある姿を見せる。礼拝堂内部に展開する空間のスケールの抑揚、そして中庭を核とする場の閉鎖と開放のリズム、光の強弱が考えられており、素朴な祈りの空間の実現というイメージに向かってディテールもよく練り上げられ美しいとした。

　優秀賞と奨励賞は次のとおり（カッコ内は単位会）。
　＝優秀賞＝
　〈一般建築部門〉
▽所沢聖地霊園管理事務所＝日建設計（東京）▽陸前高田市立高田東中学校＝SALHAUS（東京）▽B’s・行善寺＝五井建築研究所（石川）。
　〈小規模建築部門〉
▽TSURUMIこどもホスピス＝大成建設1級建築士事務所（東京）▽たなばるの家＝エー・アール・ジー（沖縄）▽南相木村移住定住促進施設「たまる家」＝横山建築研究室（長野）。

　＝奨励賞＝
　〈一般建築部門〉
▽新柏クリニック＝竹中工務店東京1級建築士事務所（東京）▽昭和女子大学付属昭和こども園＝納谷建築設計事務所（神奈川）▽愛和保育園＝アアキ前田（沖縄）▽土浦協同病院附属看護専門学校＝河野正博建築設計事務所（茨城）▽多機能型生活保護施設　愛恵園・愛恵園授産所＝小林清文建築設計室（愛知）。
　〈小規模建築部門〉
▽ヒュッテナナナ＝ヒャッカ・和田譜生構造設計事務所（福井）▽折り壁の段床＝y＆M　design　office（兵庫）▽勝間田の家＝岸本泰三建築設計室（岡山）▽邸宅型葬儀場　光の邸宅＝曽根靖裕デザイン事務所（神奈川）▽Kamikatz　Public　House＝NAP建築設計事務所（東京）。

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