審査委員長は松隈洋京都工芸繊維大教授、審査員は鉾井修一京大名誉教授、桝田洋子氏(桃李舎主宰)、松岡聡近畿大教授、松田浩三大阪府住宅まちづくり部公共建築室室長が務めた。
松隈教授は講評で「豊中市立文化芸術センターは、隣接する既存文化施設との関係性がよく練られており、控えめなたたずまいと安定感は特筆に値する。てんしばは、厳しい予算と工期の中で、都市に対して公共空間を開くという要望にうまく応えている。西陣産業創造會館は重要文化財の耐震改修だが、設計者が立場を超えて個人的に元の建築を研究調査し、それを改修に生かした姿勢に共感した」と述べている。
受賞作品の概要は次のとおり((1)用途(2)規模(3)施主(4)設計者(5)施工者、敬称略)。
〈大阪府知事賞〉
▽豊中市立文化芸術センター(大阪府豊中市曽根東町3-7-2)=(1)劇場、展示室、会議室、カフェ(2)RC・SRC・S・RM(鉄筋コンクリート組積造)造地下1階地上3階建て塔屋1層延べ1万3425㎡(3)豊中市(4)江副敏史、多喜茂、萩森薫、宮本順平(いずれも日建設計)(5)大林組・河崎組JV。
▽てんしば(大阪市天王寺区茶臼山町115-1)=(1)物販、飲食(2)木造2階建て延べ2527㎡(3)近鉄不動産(4)松田知也、宮島照久、西村敬、鈴木雅史(いずれも竹中工務店)(5)竹中工務店。
〈渡辺節賞部門奨励賞〉
▽西陣産業創造會館(旧京都中央電話局)(京都市上京区油小路中立売下ル甲斐守町97)=(1)事務所(2)RC造3階建て延べ4739㎡(3)日本電信電話(4)柳樂和哉(NTTファシリティーズ)(5)吉原工務店。