大阪府建築士会は、第63回大阪建築コンクールの入賞作品を発表した。大阪府知事賞は岡田泰典氏、近藤努氏、金井田雄介氏(いずれも日建設計)が設計を手掛けた「龍谷大学大宮キャンパス東黌」が受賞。渡辺節賞は阿曽芙実氏(阿曽芙実建築設計事務所)の「HAT house -生きていく住まい-」が選ばれた。
審査委員長は松隈洋京都工芸繊維大教授、審査員は橋本一郎エス・キューブ・アソシエイツ代表、鉾井修一京大名誉教授、松岡聡近大教授、松田浩三氏(前大阪府住宅まちづくり部公共建築室室長)が務めた。
松隈教授は講評で「大宮キャンパス東黌は対面に建つ重要文化財に敬意を払いつつ、現代技術によって可能となった洗練さと透明感を加えることに成功している。HAT houseは、玄関まわりの開き方や外観のまとめ方など、住宅地に対する公共空間のさりげない創出と小気味良いデザインが、好ましい雰囲気を醸し出していた」と述べている。
受賞作品の概要は次のとおり((1)用途(2)規模(3)施主(4)設計者(5)施工者、敬称略)。
〈大阪府知事賞〉
▽龍谷大学大宮キャンパス東黌(京都市下京区)=(1)大学(2)RC・SRC・S造3階建て延べ4185㎡(3)龍谷大学(4)岡田泰典、近藤努、金井田雄介(いずれも日建設計)(5)松井建設。
府知事賞の龍谷大学大宮キャンパス東黌
▽HAT house-生きていく住まい-(神戸市灘区)=(1)住宅兼事務所(2)木造2階建て延べ166㎡(3)個人(4)阿曽芙実(5)大垣林業。
渡辺節賞のHAT house(撮影・小川重雄)
