【こども本の森】開館に向け連続講演 初回は小泉進次郎氏『本は、ともだち。本は旅。』 安藤忠雄氏呼びかけで | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【こども本の森】開館に向け連続講演 初回は小泉進次郎氏『本は、ともだち。本は旅。』 安藤忠雄氏呼びかけで

 「大阪から世界に向け、こども図書館をつくりたい」。建築家・安藤忠雄氏の呼びかけで、大阪市の中之島公園内への建設が決まった文化施設「(仮称)こども本の森 中之島」の開館に向けた連続講演会の第1回講演が24日に大阪市中央公会堂で開かれた。衆院議員の小泉進次郎氏が講演し、安藤氏との対談では本を読むことの楽しさがそれぞれから語られた。会場を埋め尽くす小中学生ら約1000人が来場した。

対談する安藤氏(左)と小泉氏

 対談で、安藤氏は「わたし自身が建築のことばかり考えていたように、本を読むことは好奇心だ。これからの地球を支える未来の子どもたちが楽しんで本を読んでくれる施設をつくりたい。地球は1つであり、本を通して世界中のことを知ってもらいたい」と力を込めた。
 こども本の森はRC造地下1階地上2階建て延べ約1000㎡。安藤氏が設計、大阪市が市立東洋陶磁美術館の東側敷地を提供し、寄付募金によって建設される。2019年夏の完成を目指す。子どもたちの将来を見据え、企業や住民が参加する全国でも類がない試みだ。
 館内には「さまざま分野の専門家が子どものころに読んだ本も展示する。皆さんが将来目指している職業の人たちがどんな本を読んで育ったかを知るきっかけになってほしい」と強調。既に1万冊もの本が集まっており、「これがまた多くの人に循環することで本の魅力が広がればいい」と語った。

こども本の森のイメージ

 小泉氏は「日本にだけいても、日本のことは理解できない。本を通して外の当たり前のことをたくさん知ってもらいたい」と呼びかけた。『本は、ともだち。本は旅。』をテーマにした講演では会場の子どもたちと対話しながら自らが感銘を受けた本を紹介。「本は過去や未来と出会えるきっかけをくれる。つらい時、楽しい時の気持ちを代弁してくれる本に出会えた時には友だちのようであり、自分の知らない国のことを教えてくれる本は旅をさせてくれる存在でもある」と締めくくった。
 会場には、吉村洋文大阪市市長も駆けつけ「未来に向けたこどもたちの図書館をみんなで作っていたい。形にとらわれない図書館にしていきたい」と述べ、施設建設への手応えを口にした。
 連続講演会は、文字・活字文化推進機構とこども本の森設立記念講演会実行委員会が主催し、「子どもと本」をテーマに3、4カ月に1回のペースで開かれる予定だ。

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