アンデルセン・パン生活文化研究所は、被爆建物である広島アンデルセンの建て替えに向け、既存施設解体工事を大成建設と契約したことを明らかにした。本体工事の契約については現時点では未定としており、2019年2月の新店舗建築工事着工を目指し、解体工事を進める。
老朽化している広島アンデルセンは、耐震性の問題から16年1月に営業を休止し、建て替えに向けた検討を進めてきた。
アーケード街の本通りに面する部分は、このエリアで唯一現存する被爆建築で、正面玄関にあった列柱は撤去されているものの、装飾が少なく、左右対称で矩形窓や正円アーチなど、ルネサンス様式の特徴が残っている。
被爆建物であることを考慮し、新店舗に被爆壁の一部を保存し被爆建物としての登録が継続されることも決定している。
保存方法は、既存の建物東側の壁を切り取り、新店舗の東側の壁にはめ込む。調査でストリングコース(壁体の各層を区切る装飾的な水平帯)も被爆当時のまま残っていることが判明し、この部分も新店舗に残す。被爆壁保存面積は約50㎡(被爆した壁部分の約17.3%)。
既存施設の設計は長野宇平治が手掛けた。
現地(広島市中区本通7-1)建て替えする施設の規模は、5階建て延べ約3500㎡(建築面積約800㎡)。
敷地内南東側には、約280㎡のポケットパーク(仮称)を併設する。20年8月のリニューアルオープンを目指している。