宮城県石巻市の文化・芸術活動の新たな拠点となる(仮称)複合文化施設建設工事の安全祈願祭が23日、同市開成の現地で開かれ、大成建設・丸本組JVの施工で本格着工した。設計は藤本壮介建築設計事務所が担当。2021年2月に大ホールなど一部をプレオープンさせ、21年度の全体完成を目指す。
規模はRC・SRC・S造の複合構造の4階建て延べ1万3315㎡。外観は、旧北上川に沿って三角屋根の建物が建ち並んでいた同市の昭和初期の風景をイメージしたデザインとし、市民が愛着を感じ、気軽に集まりやすい施設とする考えだ。
神事には亀山紘市長を始め、大成建設の平田尚久東北支店長、丸本組の佐藤昌良社長、藤本壮介建築設計事務所の本間新太郎設計本部長ら関係者80人が参加。代表者による鍬(くわ)入れの後、神前に玉ぐしをささげて工事の安全を祈願した。
この後、あいさつに立った亀山市長は「震災からの“心の復興”をけん引する施設の完成に向けて大きな一歩を踏み出した。市民が待望する施設となるよう引き続き協力したい」と語った。
これを受けて平田支店長も「文化・芸術を通した市民交流の場として、時間を忘れ、また来たいと思える空間を実現するため、全身全霊で無事故・無災害で施工に当たる」と工事への意気込みを語った。
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熊谷康宏作業所長(大成建設)の話 「施設が5ブロックに分かれており、それぞれ屋根の高さが違うため、足場を組む順番などの施工手順をしっかり確認したい。また、周辺は住宅地であるため、騒音などにも気を配りたい」